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睡眠と健康・朝の勉強

(2026年10月掲載)

石井 裕之
(CFPファイナンシャル・プランナ-)

こんにちは。FPの石井裕之です。

寝苦しい季節が終わり、よく眠れる気候になりました。秋の深まりとともに、寝床で過ごす時間が増えるかもしれませんね。
睡眠に関して、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、次のように指摘されています。

◎夜間に実際に眠ることのできる時間は、15歳前後で約8時間、25歳7時間、45歳6.5時間、65歳だと6時間

◎ただし床上時間(しょうじょうじかん:寝床にいる時間)は徐々に増加し、75歳では7.5時間を超える傾向あり

◎高齢世代は、7時間未満の短時間睡眠による将来の死亡リスクが1.07倍なのに対して、8時間以上の長時間睡眠では1.33倍

◎9時間以上の睡眠はアルツハイマー病の発症リスクを増加させる

◎30分以上の昼寝習慣がある人は、ない人に比べた将来の死亡リスクが1.27倍

高齢(65歳以上)世代において、睡眠8時間以上で健康リスクが強く現れることの調査・研究は複数あり、このガイドでは床上時間が8時間以上とならないことを推奨事項としています。また、ガイドとは別に、適正睡眠時間は6時間前後が目安というエビデンスも報告されています。

もちろん体質や疾病の有無、日中の活動状況などによる個人差があるでしょうから、高齢者に望まれる睡眠時間が一律6時間ということではないでしょう。日中に眠気がなく、体調がよい範囲を基準として調整することが大切なのであろうと考えられます。

ここで大事なことは、睡眠時間と床上時間を分けること。
上記ガイドは、床上時間の目安は1週間の平均睡眠時間プラス30分程度としています。理由は明記されていませんが、必要以上に床上で過ごすことで、かえって睡眠の質が低下し、日中の活動量が減るためではと推測されます。寒くなると寝床から出たくないですけど・・・

ところで、朝起きた直後は脳がリフレッシュされた状態なので、勉強にうってつけと言われており、読書等をされている方もいらっしゃるかもしれませんね。でも実はこれ、効率的ではないのです。

米国・国立生物工学情報センターHPに掲載されている論文のなかに、「睡眠慣性」について書かれたものがあります。それによると、起床後しばらくは脳が完全に目覚めておらず、1日で最もぼんやりしている時間なのだそう。とすると、もし朝に読んだ本の内容があまり頭に残っていなかったとしても、無理はないことになります。

もともと記憶の定着には、読むだけ・聞くだけというような、情報を受け取るだけの学習法よりも、思い出そうとすることの方が効果的とされています。頭の中から情報を検索して引き出すもので、検索学習といわれており、有効性に関する論文もあります。

従って朝勉をするのであれば、方法として、昨日学んだことを1つでも思い出すことの方が効果的ということになります。一例として、夜型ではない人でも、たとえ1ページでも昨晩のうちに読んでおき、翌朝その内容を思い出すこと。寝ている際に脳が記憶を整理しており、その記憶をさらに定着させることにつながります。1ページ読むだけであっても、半年で180ページ、1年では360ページくらいになるので、年間1冊くらい読める勘定になりますね。毎日2ページ読むのなら2冊読めることになります。

言うまでもなく、もともと朝の方が体調がよい人もいます。朝活を推奨する方の多くは朝型なのでしょう。しかし万人がそうとは限らず、要はここでも、自分にとってベストの方法を探すことでしょう。そのためのひとつの実験として上記の方法に取り組むのも、試してみる価値があるのではと思います。これから、朝起きるのが辛い時期になりますが・・・

それでは、また次回。