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子ども子育て支援金と子ども子育て拠出金
石井 裕之
(CFPファイナンシャル・プランナ-)
こんにちは。FPの石井裕之です。
この4月から「子ども子育て支援金」がスタートし、5月から徴収が開始されました。
一方で以前から「子ども子育て拠出金」があるのですが、ネットで後者を検索すると前者が表示されることがあり、またChat GPTに聞いても回答の混同がみられます(5月中旬現在)。そこで今回は、この2つの制度について確認してみたいと思います。
まず既存の「子ども子育て拠出金」は、1972年にできた「児童手当拠出金」が2015年に改称されたもので、全額が企業負担。扱いは税金ですが、税務署ではなく日本年金機構が厚生年金保険料と一緒に徴収しています。金額は厚生年金加入者の給料の0.36%です。
使途は児童手当を除けば、企業主導型保育事業、ベビーシッター利用者支援事業、放課後児童健全育成事業、中小企業子ども子育て支援環境整備事業など、働く人の保育関連事業が並んでいます。事業主に恩恵を与えているとの理由で企業負担とされているのでしょう。
かたや、新しい「子ども子育て支援金」は健康保険料に上乗せして徴収されます。こちらは労使折半なので、半額は給料から天引きされます。ネット上では一部で「独身税」と揶揄されているようですが、公的医療保険加入者全員が対象なので適切ではありません。たとえば自営業者であれば国民健康保険料に、75歳以上の人は後期高齢者医療保険料に上乗せされます。金額は健康保険の場合、2026年度は給料の0.23%で、以後3年かけて引き上げられます。
こちらの使い道は、①児童手当の拡充、②妊婦への支援金、③誰でも通園制度、④国民年金第1号被保険者の育休中の保険料免除、⑤出産後休業支援給付金、⑥育児時短就業支援給付金です。①~③は出産・子育てをする全ての人、④は主に自営業者の人、⑤⑥は雇用保険の制度なのでお勤めの人が対象になります。
少子化が日本にとって喫緊の課題であり対策が急務なことは多くの人が同意するでしょう。ただ、AIすら間違えるような2つの制度ができたことには疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。以下はこの点に関する2つの私見です。
ひとつは誰が支払うかの問題。制度を拡充しようにも、企業にばかり強いることにも、もしくは途中から労使での負担に変えることにも、どちらも反発が予想されることから、このような形になったのではないかということ。
もうひとつは徴収方法。前述のとおり、「拠出金」は厚生年金保険料、「支援金」は健康保険料と、ともに社会保険料と一緒に集められます。本来どちらも税金での方が順当のように思われますが、「増税」の響きは政治家に次の選挙を心配させ、ならば多少は反発が少なそうな社会保険料(それも別々の)で、となったのかもしれません。
そもそも社会保険は自分や家族などを守るための制度です。年金なら老齢時や、遺族や障害状態となった際に受け取れますし、公的医療保険は病気やケガなどに備えられます。いつ自分がそうなるかわからないという点が、払った人と恩恵を受ける人とが必ずしも一致しない税金との違いではないかと思われます。
なお、社会保険は使途が明確であることが必要です。「支援金」であれば前述のように決められています。
「支援金」を健康保険料とともに徴収する理由について、政府は、少子化を食い止めることが公的医療保険の健全な運営に寄与し、被保険者の恩恵につながると説明していますが、皆さま納得されるでしょうか?とはいえ、今後も同様の傾向が続く可能性は否定できず、となると私たちは税金のみならず、社会保険料についても一層チェックが必要ということになります。
それでは、また次回。
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