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連載コラム ある変革実践リーダーの荒波奮戦航海記 ~海図のない海をすすむ~
若林 健一
第18回 やらされ感を無くせ!撲滅のために必要な行動とは?
やらされ感を無くせ!
「上から降って来た仕事だから、何とか頼むよ」
「過去ずっとこのやり方でやってきたからお願い」
こんな仕事の依頼をされてあなたはモチベーション高く仕事に取り組むことはできるだろうか。
こんな頼み方をされた時に出てくる感情はただ一つ。
やらされ感だ。
これこそ私がこの世から無くしたいと思っている一番のことである。全くもって人のパフォーマンスが上がらない、人を輝かせない代物だ。2年目から加速度的にプロジェクトが増え、様々なソリューションを開発するようになってきたが、突き詰めると、ほぼこの問題を解決したいという思いがベースであったように思う。
では、どのようにすればやらされ感は無くなるのだろうか?
私が大切にしている二つのポイントがある。
それは
なぜ、それが必要なのか
なぜ、貴方に頼んでいるのか
この二点である。
その仕事が持つ本質的な意味を語れ

上から降ってこようが、過去からやっていようが、頼む側は主体的に自分の頭で考え、自分の言葉で噛み砕き、その仕事の持つ意味を語るべき。これが私の持論である。
顧客や社会に対して、頼んでいる仕事がどのような形で貢献しているのか。または貢献させたいと考えているのか。これをしっかり説明する姿勢が重要だと私は考えている。
そう考えるようになったのは、私が管理職になった際に上司から教えてもらったエピソードがきっかけだ。
それはNASAの清掃員と米国大統領の会話というエピソードである。
まだ人類が月に降り立つ前、NASAを訪問した当時の米国大統領が清掃員にこう尋ねた。
「あなたは何の仕事をしているのですか?」と。
すると清掃員はこう答えた。
「人類が月に行くためのお手伝いをしているのです。この仕事をとても誇らしく感じています」と。
私はこの話を聞いた時にNASAの教育の素晴らしさに感動した。そして、それ以来チームメンバーにも、私達が携わっている仕事の持つ本質的な意味を語るようになった。
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