Breadcrumb navigation

連載コラム ある変革実践リーダーの荒波奮戦航海記 ~海図のない海をすすむ~

若林 健一

2020年10月16日

第14回 メンバー離脱もリーダーの成果?新しいチームのありかたとは

初めて弱音を吐いた日

「中西さん。限界です・・・」
 

初めて中西に弱音を吐いた。


チーム設立後1年経とうとしていた頃の話だ。


キックオフミーティング感情分析やエンゲージメントサーベイ分析 で一定の成果を出せたこともあり、チームは拡大路線であった。チーム設立当初は15名でスタートしていたのだが、事業の拡大に伴い  倍の30名前後の体制になっていた。


ほぼワンマン体制で行ってきたのだが、自転車操業状態でチームにきしみが生じ始めていた。私は何もないところをブルドーザー的に開拓する仕事は得意である反面、そのプロセスを整備し、誰でも通れる道路を作る仕事は苦手としている。それ故、チーム運営やプロジェクトの進め方が、私のキャラクター芸と化してしまい、組織としては再現性に欠ける状態となっていたのである。


中西もその状況を見兼ねて、ある人物に声をかけた。中西と前職場で親交のあった木本将徳である。

新たな出会い

チーム設立2年目を迎えた 2019年4月に木本は私たちのチームに加入した。木本は元々プロジェクトマネジメントから人事コンサルタントになった経歴の人物で、人材育成を メソドロジーに落とし込むことや組織マネジメントに強みを持つ。

私はどちらかと言うとビジョンドリブンでチームを牽引してきたのだが、木本はそこにプロセス整備や育成メソッドなど再現性を産む仕組みを植え付けてくれた。イケイケな若手のやんちゃなチームから一歩ステージアップさせた大人のチームへ。木本の加入はチームに安定感と成熟感をもたらした。

次ページ「市場価値の高い人財を創れ」