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連載コラム ある変革実践リーダーの荒波奮戦航海記 ~海図のない海をすすむ~

若林 健一

第5回 会社を使ってあなたの「好き」を仕事にする方法

2020年6月8日

会社は使え!

三点目は、「好き」が見つかった時、それをどのように「仕事」にするかである。ポイントは、会社とwin-winの関係を創ることである。自分のやりたいことだけを主張するのでは、ただの幼稚園児と一緒で、イケてるビジネスパーソンのすべきことではない。

会社と対立関係に持っていくのではなく、同じ方向を向くことが重要だ。会社のwillと自分のwillを重ね合わせ、自身が実現したいことに対して、会社から投資(予算・人員など)を引き出すアプローチを取るのだ。

私自身、好き勝手にやっているように思われることも多いが、実際は会社が目指す方向性を外していない。経営幹部が発信するメッセージを熟読し、また幹部と生のコミュニケーションを頻繁に取ることで、方針の理解度を上げ、日々自分のwillに重ねられる部分を血眼になって探しているのである。

そんなことを考えるくらいなら独立した方が良いのでは、と思われる方も多いかもしれないが、実は大企業にいるメリットは大きい。なぜなら、日本の大企業は有形無形の優良資産を保有しているからだ。私は会社の資産をレバレッジにすることで、個人では成し遂げられないレベルの成果を上げられる可能性が高いと思っている。

実際、私が所属するNECグループは、AIに限らず最先端のテクノロジー知見を持った人間が社内にゴロゴロいて、気軽に相談できる環境にある。また、長年積み重ねてきたブランド力や営業アセットなどの使える経営資源も豊富にある。自分が専門でない領域でプロフェッショナルの知見を簡単に借りられることは、会社に所属する大きなメリットだ。つまり、NECという会社は、私がやりたいことを実現する上で、使えるものが無限にある会社であり、子供にとってのわくわくするおもちゃ箱の様な存在なのだ。

会社と社員が上下関係のようなヒエラルキー構造でなく、対等かつ、同じ方向を向き合い、両者で与え合う。この関係性こそが、私の目指す姿なのである。

執筆者プロフィール
若林 健一
NECマネジメントパートナー株式会社
業務改革推進本部所属
1980年 生まれ
2002年 NEC入社
2018年 NECマネジメントパートナーにて高度化サービス開発チームを設立
経営管理・人事・マーケティングを中心に、データアナリティクスとAIを活用した NECグループの経営高度化について、2年間で200プロジェクト実施
NEC Contributors of the Year2019など数々の賞を受賞
執筆者:若林 健一