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連載コラム ある変革実践リーダーの荒波奮戦航海記 ~海図のない海をすすむ~

若林 健一

第4回 会社員でも「好き」を仕事にできる?これからの仕事のあり方とは

2020年5月25日

これからの時代の仕事は「目的」や「意味」を創ること

 これからは新しい仕事を創るだけじゃなくて、 新しい「目的」を創り出さなくてはいけない


マーク・ザッカーバーグがハーバード大学の卒業生に送ったメッセージだ。

AIを強力に推し進めるフェイスブックのCEOの発言だけに、実に示唆深い内容だと思う。なぜならある程度衣食住に不自由しない時代に生まれ育ったミレニアル世代にとって、人生の「目的」こそ、希少価値のあるものだからだ。
そしてそれはAIではなく人間にしか創れないものでもある。さらにいうと、目的を創ることの多くは自身の興味や使命感といった気持ちが起点になることが多いと思っている。

この頃から、「「好きなこと」と「仕事」は違う。報酬をもらっている以上、好きなことを仕事にできるはずがない。」といった、仕事に対する旧来の価値観をぶち壊したいと思い始めた。
(こちらについては次回のコラムでもう少し述べたいと思う。)

 

「自身の興味や使命感から主体的に物事に取り組み、それを意味付けできるチームを創りたい。自らが体現し、新しい時代の働き方を世の中に提示していくことこそ、自分たち流の社会価値創造だ。」と思うようになっていったのだ。

そのためには結果が必要だ。結果を出してこそ、周囲の評価は得られるもので、結果なくしては、ただの戯言で終わってしまう。そう自分に言い聞かせて組織発足の大一番に臨むことになる。

社長を巻き込め!

事実上の組織化に向けた審議会的位置づけとして、半年間の成果報告会を実施した。実は事前に中西から助言されたこともあり、この場に社長(当時の社長である龍野康次郎)も呼んでいたのだが、結果としてこれが功を奏した。

今振り返ると、まだ磨かれる前のごつごつとした粗いプロジェクトの成果報告であったのだが、私は提供先のお客様からもらったフィードバックを元に、チームの将来性を熱く訴えた。
すると社長がそこに可能性を感じ、組織化に向けてバックアップしてくれたのだ。

龍野はこのとき、出席していた事業部長に対してこう訴えた。

「これからはデジタルの力を使った新しい時代になる。そしてそれを担うのは私たち世代ではなく、若い彼らのような世代だ。私は若い彼らに未来を託したいと思う。彼らに協力してやってほしい」

生涯忘れることのないだろう感動的なスピーチだった。経営トップの承諾を得られたことにより、私たちのチームは正式に組織化され活動を開始することになる。

執筆者プロフィール
若林 健一
NECマネジメントパートナー株式会社
業務改革推進本部所属
1980年 生まれ
2002年 NEC入社
2018年 NECマネジメントパートナーにて高度化サービス開発チームを設立
経営管理・人事・マーケティングを中心に、データアナリティクスとAIを活用した NECグループの経営高度化について、2年間で200プロジェクト実施
NEC Contributors of the Year2019など数々の賞を受賞
執筆者:若林 健一