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連載コラム ある変革実践リーダーの荒波奮戦航海記 ~海図のない海をすすむ~
若林 健一
第2回 社内失業を乗り越えよ!その先に出会ったブルース・リー的思考とは?
出向してすぐに社内失業!?
前回のコラムでお話した、受注確度予測のPOC(Proof Of Concept:実証実験)は、一定の成功を収めることができた。それを手土産に私はNECからNECマネジメントパートナー(以降NMP)に出向となった。
「AIがやりたい、かつ今までのスタッフ領域の知見が活かせる」と、自ら希望し、胸を躍らせ、出向してきたのだが、早々に出鼻を挫かれることになる。
出向後、入ることが決まっていたデータ分析プロジェクトが、顧客のプロジェクト範囲変更により、凍結してしまったのだ。いきなり、まさかの社内失業である。
当時、自分の手持ちのカードは受注確度予測しかなかったので、来る日も来る日も様々な部門に紹介や提案に行き、同じ事例を話すことしか仕事がないという、苦しい日々が続いた。POC自体は前述のやり方で結果を出せたのだが、再現性がないため、POCが横展開できないという壁にもぶち当たったのである。
話を聞いてPOCの内容自体に価値を認めてくれる方はいたものの、「そんな作業うちでは出来ないよ」といった声が大半。その後の展開が全く見えなかった。
周囲の冷たい目
NMPでは、分析人材を育てていくと言う目標 が、ある程度オーソライズされていたものの、周囲からは冷ややかな目で見られていた。若干、私の被害妄想かも知れないが、当時一つのPOC実績しかなく、しかもスタフが主体とされる会社で、本当にAI人材が育てられるのか?といった冷やかな視線を感じることが多かった。
自分の知識も足りず、誰に聞いたら良いかも分からず、仲間もおらず、今振り返っても、この頃が最も辛い日々であった。
現在のメンバーでこの暗黒時代を知っている者はごく僅かで、今の状況からは想像もつかないと思う。
(前回のコラム)