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連載コラム ある変革実践リーダーの荒波奮戦航海記 ~海図のない海をすすむ~

若林 健一

~はじめに~ ゼロと言うより、マイナスから?

2020年3月27日

「裸になれ」

これはあるメンバーから言われたパワーワードなのだが、AIなどの先端テクノロジー活用と言うとキラキラしている仕事のように思われがちだが、実態は泥臭い仕事の積み重ねだったりする。

何事も新しいことへの挑戦と言うのは、絶えず困難がつき纏い、試行錯誤を重ねながら前に進むしかないため、泥臭くアナログな人間業を駆使することも多い。そう言った「裸の部分」をさらけ出すことこそ、多くの人の背中を後押しすることにつながると考えており、それ故、本コラムはAIの専門的な内容と言うよりは、組織変革の起こし方や、新しいことへのチャレンジ、マインドチェンジといったことにフォーカスを当て、包み隠さず実践事例ベースで発信していきたいと思っている。

切り出されたカオスな会社

さて私のチームの軌跡を紹介する前に、我が社の説明を少々させて頂く。

NMPはNECグループのスタッフ業務を集結させて出来た会社であり、いわゆる 経理、経営管理、人事といったスタッフ業務を提供している、シェアードサービスの会社だ。 NECグループでは会社別のスタッフ機能や、同一会社の中でも個別最適化された業務プロセスが存在してコスト高となったため、これらを 一ヶ所に集結させ業務改革を行うことをミッションとして、2014年にNMPが設立された。

主にオペレーティブな業務が切り出されたことによる従業員のモチベーションの問題や、出向元との関係でどこまでの業務をどちらがやるかの線引き問題など、課題は山積み。まさに「切り出されたカオスな会社」であった。

これが冒頭で申し上げた、「ゼロと言うより、マイナスからのスタートであった」の意味するところである。

また「NECグループの会社だから、AI人材が最初から沢山いたのでは」と思われるかもしれない。しかしNMPはスタッフ機能を移動させた会社なので、そのような人材が多い訳もなく 、プログラミングが出来るメンバーでさえ本当にごくわずか、というレベルであった。

こういったなかで、私のチームがどのような経緯で設立され、どのようなチャレンジを続けているか、次回以降、実話を元にリアルな実践者の話をお届けする。ぜひ楽しみにしていただければと思う。

執筆者プロフィール
若林 健一
NECマネジメントパートナー株式会社
業務改革推進本部所属
1980年 生まれ
2002年 NEC入社
2018年 NECマネジメントパートナーにて高度化サービス開発チームを設立
経営管理・人事・マーケティングを中心に、データアナリティクスとAIを活用した NECグループの経営高度化について、2年間で200プロジェクト実施
NEC Contributors of the Year2019など数々の賞を受賞
執筆者:若林 健一