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連載コラム ある変革実践リーダーの荒波奮戦航海記 ~海図のない海をすすむ~

若林 健一

第25回 挫折できる幸せ

2021年4月5日

はじめの一歩

こういう話をすると、自分が本気になって取り組めるものに出会うにはどうしたら良いかという質問を必ず受ける。その度に私はこう返すようにしている。


「ちょっとでも自分の心の動くものに出会ったら、はじめの一歩を踏み出して下さい」と。


結論的に言うと何に自分がハマるかはやってみないと分からないと言うことだ。最初はあまり気乗りしなくても、継続して続けている内に面白さが分かりハマるということもざらにある。


大人になればなるほど、自分の限界が見えてくる。
そんなこと自分には出来ない
この年でそんなことやるのは恥ずかしい。


そういった気持ちがつい先に出てしまい、「はじめの一歩」を踏み出せない。こういうケースは多いのではないだろうか。


 しかし大人だって


恐怖心を感じたっていい
挫折したっていい


その感情を持てていること自体、幸せなことなのだよそう背中を押してあげたい。


そんな考えに至ったのには理由がある。本気になれる大人を世の中に増やすことが、社会を前進させる大きなドライバーになると確信しているからだ。


「本気になれば全ての夢はかなう」


こんなことをいうつもりはない。残念ながらそんなことはあり得ないからだ。
しかし、世の中を変え、事を成し得た人たちは間違いなく本気で取り組んだ人たちだ。愚直に努力を積み重ねることでしか道は開けない。そしてそのプロセスこそ美しく、人の心を動かすのだと思う。
AIには代替出来ない、人間が最も価値を発揮できる領域の一つだ。


私自身も正直道半ばで人に自慢できるほどの成果を出せた訳でも無い。今でも悪戦苦闘中というのが実態に近い。しかし、そういったリアルな生身のストーリーを発信することで、少しでも多くの人の背中を押すことができればと願っている。 

執筆者プロフィール
若林 健一
NECマネジメントパートナー株式会社
業務改革推進本部所属
1980年 生まれ
2002年 NEC入社
2018年 NECマネジメントパートナーにて高度化サービス開発チームを設立
経営管理・人事・マーケティングを中心に、データアナリティクスとAIを活用した NECグループの経営高度化について、2年間で200プロジェクト実施
NEC Contributors of the Year2019など数々の賞を受賞
執筆者:若林 健一