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【開発秘話徹底インタビュー】「エンゲージメントサーベイ分析」編

みんなの「行動に繋がる」施策出し。アンケートデータ×FACTデータのかけ合わせが効いた!

弊社は、NECと協同で「日本の人事部」HRアワード2020に入賞しました。

今回受賞した取り組みを支援した「エンゲージメントサーベイ分析」の開発に携わった弊社の若林、櫻井の両名にお話しを伺いました。
※新型コロナ感染拡大防止のため、インタビューはZOOM上でおこなっております。

NECマネジメントパートナー株式会社
業務改革推進本部
左:若林 健一(サービスプランナー)
右:櫻井 彩子(ビジネスアナリスト)

エンゲージメントサーベイ分析とは

編集:今回入賞の「エンゲージメントサーベイ分析」とはどんなソリューションでしょうか?

若林:NECグループでは2018年度からトップの強いコミットのもとでカルチャー変革を進める中、社員のエンゲージメント向上を重要指標に設定しました。1年に1回、グループ(国内)7万人に向けた大型サーベイを実施しており、これを分析し、課題抽出や施策立案を支援していく組織開発のソリューションです。

櫻井:普段は良く見えない組織に対して、「調査で見える」課題をわかりやすく見える化し、対話をしてもらい、未来づくりのための時間や機会を創造することを目的にしています。

AIが抽出した人間が見落としていた課題とは

編集:エンゲージメントサーベイ分析はAIで、人間が見落としていた課題を抽出したそうですが、例えばどのような点でしょう?

櫻井:いろいろな切り口の課題が抽出され、読み解きがが難しかったですね(笑)。例えば「経営幹部が長時間残業して働く部門では、エンゲージメントが低い」という結果をAIが抽出しました。つまり、経営幹部が長時間残業して働く部門では、エンゲージメントが低くなっている傾向を示したのです。これは「見つけた」と思いました。

若林:組織として、部下への権限移譲がされていない、という見方もできますね。

編集:それは興味深い結果ですね。では、経営幹部が残業しない組織はエンゲージが高いのでしょうか?

櫻井:いえ、その特徴量は出ていません。必ずしも逆説が当てはまることにはなりません。

若林:これは、エンゲージメントサーベイのデータに他データをかけ合わせて得られた示唆で他のデータを掛け合わせることで産まれた新しい価値です。

櫻井:アンケートという主観的なデータに残業時間等のファクトをかけ合わせ、アンケートの裏付けや読み解きをしています。そういうことでより一層説明力が増したり、片方のデータでは得られない気づきを得ることができます。これらの結果をまとめてNECの幹部に報告したところ、大変評価を頂けました。AIによる新しいチャレンジが実を結んだ結果として嬉しく思っています。

編集:AIはだいぶ良い仕事をしたのですね。その陰に良い結果につなげるためのデータ収集と整形のご苦労も、しのばれます。

開発時に苦労した点

編集:BIツールも利用され、データアナリストが分析テンプレートで、注目ポイントや課題抽出など、事業部の人事担当者が見るべきポイントを底上げしたそうですが、ご苦労された点を教えていただけますか?

櫻井:分析結果をNEC、NECソリューションイノベータと弊社、3社へほぼ同時に提供するという大掛かりなもので大変でした。お問合せ対応とマニュアルなどドキュメント作成もなかなかやりがいがありましたね。そういう状況の中、成果物の詳細な設計、すり合わせを十分に行う時間が取れず、PJメンバーに大分助けてもらいました。ビジュアライズ、データ整形、アクセス権やTableau Server周りの設定など、各メンバーが割り当てられた職務で力を発揮し、チームとしては100%以上の成果を発揮できたのではないかと思います。メンバーには本当に感謝しています。

 

開発時に感じた手応えとは

編集:担当が事業部長とデータを見ながら意思決定するマネジメントスタイルに変化し、施策スピードの向上に貢献ということですが、たどり着くまで「これは当たった」という点がおありでしたら教えていただけますか?

若林:リアルタイム性が増したと言うのが一番大きなポイントです。初年度で20組織ほど分析サービスをご提供させて頂いていたのですが、1事業部あたり50枚~100枚のスライドを作成するといったアナログ的サービスでした。ディスカッションの中で出てきた課題や施策を裏付けする切り口がその場に無いため、分析し直し、再度ディスカッションといったケースも多く発生させてしまいました。BIツールの導入により、その場でデータを見ながらディスカッションし、1回の会議で仕切り直しなく、施策立案するまで出来るようになったのは大きな変化でした。また初年度で培った分析手法をテンプレート化したことで、見るべきポイントが全社でぶれることがなかった点もよかった点だと感じています。

櫻井:そうですね。各事業部へのヒアリングからUIに対しての改善要望の声が多く挙がっていました。そういった課題を解決へ導くための試行錯誤の結果、BIツールによるビジュアライズと、ユーザーが見たい切り口で見られるレポートカタログ形式のサービスに行きついたのです。エンゲージメントサーベイ分析はもう3年以上手掛けていますが、初年度~2年目までは、人事部門及び特定の限られた事業部へのサービス提供でしたが、3年目からはTableau serverを利用することで全社へ提供を広げることができました。
また人事担当以外の経営層、役員まで報告する機会に恵まれ、我々の活動が広く認知されました。

図:3年目以降のサービス提供範囲

今後の抱負

編集:では最後になりますが、エンゲージメントサーベイ分析の方向性と、それぞれサービスプランナーやビジネスアナリストとしてのこれからの抱負をお聞かせください。

若林:私はコラムに書いてあるのでそちらにて(笑)。櫻井さん、お願いします

櫻井:一般従業員から見るとブラックボックスに見える経営判断を、一般従業員が理解できるようにデータで、分析で説明していきたいです。
測っただけでフィードバックがなく行動変容につながらない分析をなくし、悩んでいる人たちが行動にうつせるトリガーになるような、分析をし、次のアクションにつなげたいです。

編集:それはぜひ、今後につなげていきたいポイントですね。本日は開発秘話徹底インタビューありがとうございました。