challenge新たな取り組み

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経営陣・社員一丸になって、
データ&テクノロジー活用にフルコミットする。

コーポレートトランスフォーメーション統括部インテリジェント企画・推進グループ
ディレクター

若林 健一

※ 所属組織名称・役職はインタビュー時点の名称です

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NECビジネスインテリジェンス(以下、NBI)は、2020年に策定した2025中期経営計画で「インテリジェント化」という目標を掲げ、データとテクノロジーの活用を進めてきました。なかでも注力しているテーマが、AIです。きっかけとなったのは、2022年に登場した生成AI。これまで一部の専門的な人しか扱えなかったAIが民主化されたこともあり、NBIはこの技術の業務適用に積極的に取り組む判断をしました。
2023年、「インテリジェント化の対象は、全社員・全業務である」と定義し、文字通り全社を挙げてAIの活用に取り組んでいます。その一環である事例創出&人材育成プログラム『虎の穴』を推進する、コーポレートトランスフォーメーション実行本部の若林健一にNBIがAI活用に注力する理由を聞きました。

事業部長が業務のインテリジェント化について業績目標を負う

NBIでは日常的にAIを活用しているのですか?

はい。AIを活用した業務の効率化や高度化を積極的に進めています。今年に入り生成AIが社内でも使えるようになり、一気にモードが変わった感があります。というのも、事業部門責任者の業績目標の中に「データやテクノロジーを活用したインテリジェント化」が項目として置かれているのです。インテリジェント化は手段なのでビジネス成果である時間削減やCS向上が成果指標になりますが、事業部門責任者のコミットの元、徹底的に業務のインテリジェント化を進めています。また毎月行われる全社単位でのノウハウ共有イベントではAI活用などのインテリジェント化事例を各事業部門から発表してもらっていますが、1000名以上の参加者が常時参加し満足率も90%と高い数値となっています。経営層・現場社員が一丸となってインテリジェント化させていこうという流れが出来てきています。

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AIを活用する文化は昔からありましたか?

若林:2016年からトライアルベースで使いはじめたのがスタートです。当時は全然深い考えもなく、「AI使って何か出来ない?」みたいな今聞くと失笑モノの発言からのスタートでした(笑)。右も左も分からない状態からのスタートでしたが、当時の社長の英断によりAI活用組織が社内で正式に発足し現在に至っています。当時200個以上のプロジェクトを立ち上げ、そのほとんどは途中で断念しましたが、一部は形になり、今も現役で動いています。社外のアワードを受賞した「エンゲージメントサーベイ分析」もその1つですね。
ただ、その頃AIに関わっていたのは一部の人間だけでした。というのも、当時のAIを動かすには専門的な知識が必要でまだまだ敷居の高いものだったからです。多くの社員は、インテリジェント化は一部の専門職の人たちに任せるしかないと思っていたのが実情だと思います。それが、生成AIが登場して一気に空気が変わりました。というか、変えました。2023年から、「インテリジェント化の対象は、全社員・全業務である」と明確にNBIとして謳いはじめたんです。

「日本の人事部」HRアワード2020に入賞した「エンゲージメントサーベイ分析の画面サンプル」

インテリジェント化 = データとテクノロジーを活用して、
すべての業務・サービスを高品質にしていくこと

NBIでは「インテリジェント化」はどんな意味の言葉として使われていますか?

若林:「データとテクノロジーを活用して、すべての業務・サービスを高品質にしていくこと」と定義しています。それ故、品質向上させる目標設定をKPIとして置いて手段が目的化しないように心がけています。
そういう意味では必ずしもデータやテクノロジーを使う必要があるわけではないのですが、今の技術背景を考えると、何をするにしても両者が絡まないことはほとんどないかなという実感です。

インテリジェント化の対象が「全社員」に広がったわけですが、全員が対応できていますか?

若林:まだ、全員にインテリジェント化の意識が浸透しているわけではないです。自分にもできると思えていない人もいるし、効果の部分に懐疑的な人もいます。そこは口で説明してもなかなか変わらない部分だと思うので、実際にやってみましょうということではじめたのが、インテリジェント化『虎の穴』というプログラムです。
このプログラムでは、事業部門長の推薦と社員自身の手上げで集まったメンバーに、生成AIを使った業務改善事例をつくってもらいます。参加には年齢や職種などの制限は設けておらず、これまでのメンバーも、新卒3年目の社員から50代の社員までとバラエティーに富んでいます。1ヶ月のプログラムでは、生成AIの使い方や活用事例を学び、各々の業務の中でどう活用できるか仮説を立て、業務部門を巻き込みフィードバックをもらい、BEFORE-AFTERでどれだけ定量効果が出るのか効果試算を行うところまでを経験します。プログラム期間中、リソースの100%をこのプログラムに投下してもらいます。つまり、通常業務を完全にストップすることになるわけで、会社としてもかなりチャレンジングな取り組みでした。
しかし、いざ終わってみると、プログラムの成果物である業務削減施策による時間削減効果は1テーマ当たり70%弱の削減効果施策を生み出すことが出来ました。何より、参加者がAI活用に自信を持ち、プログラム外でも自発的に業務改善を行うようになったという嬉しい報告を聞けています。参加者の半数は、ChatGPTを触ったことすらないという状態からのスタートですが、1ヶ月でそれだけの変化を生み出せたのは、大きな収穫だと考えています。

『虎の穴』の成果物はどんなものがありますか?

若林:例えば、AI未経験の参加者がつくったのは、フロー図作成ツールです。業務改善を進める際には、まず現状の業務フローを理解し、それをどう変えるのかを考えるというステップで物事を考えます。その過程でフロー図をつくる機会が多いのですが、今まではそれを手作業でつくっていました。フロー図制作者が業務担当者に対しヒアリングを行い図に落とし込んでいたのですが、フロー図作成ツールではAIが業務担当者に質問を行い、自動でフロー図を作ってくれるので、省人化が可能になりました。
また、個々の参加者の成果物とは違いますが、『虎の穴』では、プログラムの最終プレゼンをAIが担当します。この領域は技術進化の速度が速いため、問い合わせ対応をAIアバターが行う世界もそんなに遠くない世界だと思っています。それ故先端技術に触れる機会を創り、現時点からトレーニングしておこうという意図です。

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グループ内シェアード・サービス企業だからこそ、実験的な取り組みができる

AI関連スキルを習得するうえで、NBIは良い環境だと思いますか?

若林:さまざまな観点で有利だと思います。まず、先程も挙げた通り、全社一丸となって取り組んでいる企業のため、その波に乗ってスキル習得することが可能です。さらに当社はNECグループのシェアード企業のため、NECの先端技術に触れる機会も多いです。特にAI技術はNECが注力している分野でもあるため、先端の研究や事業開発を行っている社員とのコラボレーションが可能です。AIはデータがないと役に立ちませんが、業務改善に利用できるデータって、多くの場合は機密情報なんです。そのため、通常のクライアントワークと社内でAI活用を行うことは試すハードルの高さが全く異なります。当然NEC社内でもデータを活用することに申請や許可を取ることは一定ありますが、クライアントワークと比べれば圧倒的にハードルが低いと思っています。特にまだ成果がでるかどうか分からない実験的なプロジェクトになればなるほどクライアントワークで行うことは難しいです。NECグループは社内DXをモデルにして社外DX事業につなげていこうという事業方針があるので、手を上げればやらせてもらえる文化があります。つまりNBIはNECグループ内で「実験」ができてしまうわけです。その分、多くの経験を積むことが出来、AI関連のスキルが習得しやすい環境にあると思っています。

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最後に、若林さんが個人的に挑戦したいことはありますか?

若林:NECグループ内で省人化や無人化を早くやりきって、そのノウハウを、労働人口が減少していく日本社会に適用させていきたいです。そうしないと、日本が沈んでしまうという危機感があります。今の自分のミッションはNECの競争力を高めることで、そこにはもちろん力を尽くしますが、イチ会社のことだけを考えていていい状況ではもはやないとも思っていて。そういう意味でも、これまで以上にスピード感を持って仕事をしたいですね。

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