Displaying present location in the site.

目的はどこへ?

PJ活動お役立ちコラム
第150回 2023年10月17日
目的はどこへ?

突然ですが、みなさんに以下のような経験はございませんか?

  • チームメンバーと定例会議をしているが、議題がないのに会議を開催してしまった。
  • 会議の開始後10分で話が終わったが、しばらく会議を続けてしまった。
  • 最近は不要な会議をすることが増えてきた。
  • 目的達成のための手段が会議開催だったのに、いつの間にか手段である会議開催が目的になってきた。
  • いったい本来の目的はどこへ・・・?

このような状態を「手段の目的化」といいますが、筆者にとっては耳が痛い言葉です。恥ずかしながら目先の手段だけを意識して、目的を見失うことがたまにあります。

「手段の目的化」とは

目的と手段とは、次の内容を意味します。

  • 目的:成し遂げたいこと(Why)
  • 手段:目的を達成するための方法(How)

今回はビジネスにおいて身近な手段である会議を例にします。

  • 目的:プロジェクトの情報共有や問題解決をする
  • 手段:週次で定例会議を開催する

週次で定例会議をすると、議題がない日もきっとあるでしょう。それにもかかわらず、無理に会議を開催してしまうと、本来の目的の「プロジェクトの情報共有や問題解決をする」から逸脱して、目的が「週次で定例会議を開催する」になってしまいます。
このように、手段が起点になり目的を見失っていることを「手段の目的化」といいます。

「手段の目的化」に気がつかないと、議題がないのに無理やり議題を探して会議を開催しようとすることもあるかもしれません。本来は不要な会議のために、出席者を拘束してしまうことにもなります。この時間は非常にもったいないですね。
「目的はどこへ?」とならないように、目的を再認識して、議題がないときは思い切って会議をキャンセルする。議題があっても平易な共有事項だけなら手段を変更して、会議はせずにメールやチャットの連絡に切り替えてもよいでしょう。

「手段の目的化」にならないために

目的は抽象的なことが多く、手段は具体的であるため手段ばかりに注目してしまうことがあると思います。「目的はどこへ?」とならないように、目的を明確化し、定期的に目的を意識する機会をつくりましょう。特定の手段に拘らないように、より良い手段がないか見直しをしましょう。
また、活動に集中しすぎると目的から逸脱していることに気づけないこともあると思います。「手段の目的化」に気づいたときは、声を上げて、より良い手段を提案してみてはいかがでしょうか。

さいごに

今回は身近な手段の一つである会議を例にしました。
不要な会議の減らし方や有意義な会議にするポイントは、以下のコラムに紹介されていますので参考にご覧ください。
・第2回(2020年12月8日、その会議必要ですか?)
・第132回(2023年6月6日、不要な定例会から有意義な定例会にするには)

また、「議題のない会議はキャンセルしては?」とお伝えしましたが、チームメンバーと良い関係を構築したいときには「議題のない会議もあり」だと筆者は思います。ここでいう「議題のない会議」は「雑談」のことです。
リモートワークだとコミュニケーションが不足しがちですが、出社をしていてもきっかけがないと会話が少なくなるかもしれません。そんな時は、会議の残り時間を活用して雑談をしてみるのはいかがでしょうか?コミュニケーションが活性化し、雑談ができる関係になればチームメンバーの心理的安全性が高まり、チームのパフォーマンスも良くなると思います。筆者はリモートワークが多いので、社内のチーム定例会の残った数分間でする雑談を楽しみにしています。みなさんのチームにも筆者のようなメンバーがいるかもしれませんので、ぜひご検討ください。今回のコラムがみなさんの活動のお役に立てますと幸いです。