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先回りした行動における効果
PJ活動お役立ちコラム
第135回 2023年6月27日
先回りした行動における効果

筆者はPMOという役割から、先回りをしてお膳立てをする場面がよくあります。上位報告に必要な情報を揃える、レビュー予定を立てる、タスクを洗い出す、次工程の準備など。
早め早めに行動を起こすことでもたらす効果は大きいと常日頃感じており、改めてその効果について整理してみました。
先回りとは
以前に、プロジェクトマネージャーから「レールが敷かれているようだった」という言葉を言われたことがありました。プロジェクトの目標に向かって進むための一連の流れがスムーズだったと、評価をいただきました。当時は以下のように考え対応を行いました。
- レールを並べる :プロジェクトで起こりうるタスクやリスクの洗い出しを事前に行う。
- 分岐点を明確にする:情報収集や状況整理を行った上で、選択肢を提示する。
上記によって、適切なタイミングでプロジェクトマネージャーやステークホルダーの意思決定がなされました。一つ一つの段取りも、しっかり整理して進めることができました。
効果
以下が具体的効果だと感じています。
-
納期遵守の強化、品質向上
早めにスケジュールを立て、前捌きを行うことで、余裕をもってプロジェクトを進めることができるため、予期せぬ課題や問題にも計画的に対処ができます。
ギリギリで焦ることなく進められるということは、プロジェクト全体の質を上げることに繋がると考えます。 -
無駄工数や追加コスト発生の低減
各種調整が遅れると、本来発生すべきではない工数やコストが発生することもあります。人やモノのリソースは、調整が遅れると確保に困難を極めるケースもあります。
先回りして段取りを行うことで、こういった事態をできる限り回避、低減することが可能になります。
また、私たちPMOにとって有難い副次的効果もありました。スムーズにプロジェクトを進められたことで、ステークホルダーからの信頼を獲得できたことです。良好な関係が構築され、情報収集がしやすくなりました。これにより、今まで以上に状況をスピーディーに正しく、把握することができるようになり、先回りした行動から、また先回りが可能になるという好循環を生むことになりました。
このサイクルが回っていくことで、更なるプロジェクトの品質向上が期待されます。
先回りをするためには
では、そもそも先回りするためにはどうすれば良いでしょうか。
大きく分けて二つあると思います。一つは、自身の行動の仕方。もう一つは環境です。
まず前者から。
筆者は必ず「想像(推測)する」「仮説を立てる」ことを意識して行います。前提条件の確認やクリアすべき条件はあるか、進める上で難易度の高いポイント、Aのケースの場合の結果/Bのケースの場合の結果、ゴールイメージなど。
そして「洗い出し」です。ここで重要なことは、考えうる全量をまず出し切ってしまうことです。全量を出し切った上で、関係性がわかるよう交通整理を行い、検討のたたき台ができ上がっていきます。このとき、関係者の動きも想像することでより具体化できます。
知見やノウハウが無い場合は、想像→調べる→想像、を繰り返すことで、ヒントが見えてくることもあります。
次に環境です。
先回りして行動したいが状況的に難しい、手が回らない、目の前のタスクで溢れてしまっている。この場合なかなか前に進まないことも多々あると思います。
情報収集をした上で、味方を見つけて巻き込んでみては如何でしょうか。まずは「一歩先」を見据えたタスクの捌き方をすることで、少しずつ近づけるかもしれません。
さいごに
先回りして行動していても、ゴールイメージが異なっていてはせっかくの努力が水の泡になってしまいます。進めていく中で、必ず認識整合を取っていくことも忘れてはいけない点かと思います。タスク管理のコツについては、第51回(2021年11月16日、タスクは増え続けるもの?)のコラムや、第67回(2022年03月08日、やることに追われて…)のコラムでもご紹介しています。こちらも参考にしていただければ幸いです。
今回の内容が皆さんの活動に少しでもお役に立ちましたら幸いです。