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タスクは増え続けるもの?
PJ活動お役立ちコラム
第51回 2021年11月16日
タスクは増え続けるもの?

プロジェクトを開始する際、プロジェクトの工程を細分化しタスクを表で示すことは基本として行っていると思います。
作業を大中小の項目に分け、開始日、完了日、担当など明確にしてWBS化し、慣れていれば都度更新を繰り返しながら運用できていると思いますが、特にタスク管理に慣れていない場合、プロジェクトが進むにつれ、想定外の作業が必要なことがあとから分かり、時間も人も少ないなか、無理してタスクに落とし込んで残業・休出続き、といったことが起こりがちかと思います。
筆者が以前関わったプロジェクトでも、次から次へとやるべきことが湧き出して、そのたびにタスク化、人のアサイン、日程調整を繰り返していることがありました。プロジェクトメンバーがタスク管理に慣れていないが故に起きた状況だったのですが、このようなことを起こさないためにはどうすればよいか、タスク管理の基本に戻ってお話ししたいと思います。
やってみなければ分からない?
タスク管理が不慣れな場合は、必要な作業を十分理解できておらず、最初からタスクに落とし込まれていないことがあります。こうなるとプロジェクトが進めば進むほど、当初計画よりやるべきことが積み重なって逼迫することに繋がります。
このような場合、まずは実際の作業のストーリーを頭に浮かべ、誰が何をするのかシナリオを書くつもりで、やることを洗い出してみてはどうでしょう。作業イメージを想定しなら書き出すことで、思いもよらなかったタスクの抜け漏れが浮かび上がってくると思います。
しかし必要な作業を漏れなくタスクに分解しWBSをきっちり作り上げても、その通り完璧にプロジェクトを進めることは余程熟練した人でも難しく、想定外のことが起きることは皆さんも経験していると思います。
このような予期しないことは当然起きるものとして、当初の計画にバッファをうまく組み込むとよいでしょう。最初から予定を詰め込みすぎてしまうと、後々余裕がなくなってしまうので、無理のない範囲で計画することをお勧めします。
バッファを持たせる時間的余裕はない、ということもあるかと思いますが、並行して行える作業は同時に対応するなど工夫することで、バッファの時間を作り出すことも不可能ではありません。
ひとつの工程をタスク化する際には、その前後の工程との依存関係も考慮して作業の優先度を付けることは重要です。ひとつの工程の遅延がボトルネックになって、その後の工程に影響が出ないように計画するのは当然のこととして、他の工程と依存関係が薄いものは並行して行える作業として切り分けてみるのも手です。
そもそも必要なのか
ここまでタスク化について話をしてきましたが、タスク化しようとしている作業によっては、それが必要なものなのか、あらためて事前に振り返ってみるのも良いと思います。過剰な品質になっていないか、そもそも要件にある内容だったのか、それによってタスク化を判断し、必要であれば事前に要件を再調整して合意を得るべきでしょう。これによってムダな工数・リソースを低減することを意識すると良いかと思います。
さいごに
タスク管理の基本として、今回取り上げた意識すべき点をまとめるとこういうことです。
- 実際の作業を頭に浮かべてタスクに落とし込む
- バッファを持たせた日程にする
- 他の工程との依存関係を意識し優先度をつける
- そもそも不要な作業を取り込まない
これらはタスク管理のノウハウの一部でしかありませんが、今一度自分の管理と照らし合わせてみてはいかがでしょうか。また、タスク管理に慣れていない方にとっても参考となりましたら幸いです。