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職場での不安やストレスとの付き合い方
PJ活動お役立ちコラム
第170回 2024年3月12日
職場での不安やストレスとの付き合い方

はじめに
2023年度も残すとひと月を切りました。皆さんにとって、どのような1年だったでしょうか。
「第168回 心の健康を保つ方法」では、入社2年目の社員が、この1年をどのように過ごしてきたのかが語られています。筆者も「一人でやり切らなくては。」という焦りや不安を同じように感じていたことを思い出しながら読みました。
勤務形態は、リモート勤務、オフィス勤務、それらを併用するハイブリッド型など多様化しましたが、職場での不安やストレスに変化はあるのでしょうか。
厚生労働省は、平成25年から毎年、労働者の仕事や職業生活における不安やストレスについて実態調査を実施しています。
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厚生労働省
労働安全衛生調査(実態調査)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/list46-50_an-ji.html
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今回は、この調査内容と関連する筆者の経験をお伝えします。
仕事や職業生活における不安やストレスの内容
令和4年の調査での1位から4位は、次の通りです。
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仕事の量
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仕事の失敗、責任の発生等
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仕事の質
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対人関係
対人関係が上位に来るのではと想像していましたが、「仕事の量」、「仕事の失敗、責任の発生等」が1位、2位でした。この2項目について考えてみたいと思います。
仕事の量
調査が開始された平成25年から不動の1位です(平成30年までは、仕事の質と量は1項目にまとめられていました)。どの年代においても1位なのかというと実はそうではなく、50歳~59歳のみで1位となっています。管理職としての業務の割合が増えることや、年齢に伴う体力の低下による結果かもしれません。とはいえ、49歳以下でも「仕事の失敗、責任の発生等」に次ぐ2位です。
筆者の周囲でも、スコープやサービスレベルを明確にしていても、業務量が徐々に増えてしまうことがよく発生します。人手不足や予算の都合で、吸収するバッファがないことも多く、増えてしまってからでは、業務量の調整ができない状況に陥りがちです。
対策として、一定の範囲(時期)で見直しを図ることを参画前に取り決めるようにしました。見直す機会が予め設けられていることは、担当者にとっては不安感の軽減にもつながり、発注側にとっても、早期に品質を確認し、認識の齟齬を修正できるため合理的で、双方にメリットがあります。
もちろん、この機会を活用するためには、状況をできるだけデータで説明できるようにしておくことが必要です。
仕事の失敗、責任の発生等
49歳以下で1位です。失敗はチャレンジした証と考えると、この結果はネガティブとも言い切れませんが、落ち込んだり、引きずってしったりすることもあると思います。
ナレッジを持っている前任者や上司などの有識者との情報連携がうまくとれず、手戻りが発生してしまうというケースがありました。
有識者にとっては当然のことになっているため、伝達漏れが発生していることに気づかず、経験が浅い者にとっては、何を聞き出せばいいのか想定することが難しく、こちらもまた、漏れがあることに気づかないという具合です。
このケースは、情報を提供できなかった前任者、上司の失敗でもありますが、ナレッジが人に蓄積されたまま情報化されていない、また、あったとしても散逸していたことが原因でした。
これを経験した担当者は、今後の後任者のために、ナレッジをデータ化して残すことにし、失敗を失敗のままでは終わらせませんでした。
失敗から得たことを次に活かせる形に残すことで、落ち込んだ気持から少し解放されたようでした。
最後に
コロナ禍を境に働き方の変革や改革はより加速されましたが、不安やストレスの内容はあまり変わっていませんでした。
不安やストレスの原因を完全に取り除くことはできません。付き合い方のコツは人によって様々で、信頼できる人と振り返ることで区切りをつけられるという人もいると思います。皆さんのコツは何ですか?
今回の内容が皆さんの活動に少しでもお役に立ちましたら幸いです。