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情報ツウという役割
PJ活動お役立ちコラム
第148回 2023年10月3日
情報ツウという役割

プロジェクト遂行にあたっては、日々膨大な量の情報が行き交います。プロジェクト管理の面では正確な情報収集は、プロジェクト成功か否かを分ける大きな要素だと考えています。
筆者はPMOや事務局の立場でプロジェクトに携わっておりますが、その重要性を日々肌で感じています。
出来ることなら自らが「情報ツウ」となり、プロジェクトに関する様々な情報を把握・整理し、PMや顧客に適切なタイミングで連携して、円滑なプロジェクト遂行に直接役立ちたいと思っています。
しかしながら現実は上手くいかない事も多く、どうしたら「より重要な情報を集め」「適切なタイミングで連携出来るか」について、紐解きたいと思います。
コミュニケーションをミッションの一つと捉える
課題やリスクの早期検知や、真の原因を理解するためには、プロジェクトメンバとの日頃のコミュニケーションが最も大事だと筆者は考えています。
特にテレワークでは必要最低限のコミュニケーションになってしまい、隠れた問題が見えにくくなりがちです。忙しい状況の中でもキーパーソンとの会話の時間は確保したいものです。
雑談感覚で10分程度の超短時間MTGの定期開催も有効かと思います。また、会議冒頭で参加者を待つ間の僅かな時間さえもコミュニケーションの場として活かし、ざっくばらんに近況について会話をするのも一つの手段だと思います。
筆者もそうですが、距離の近い人や信頼のおける人には隠さず伝えたくなるものです。安心感や親しみやすさを持ってもらうことが情報を引き出すキーではないでしょうか。
その為には、コミュニケーションを自ら取りに行く事をミッションの一つとして捉え、積極的な働きかけを(この塩梅が重要ではありますが)する事が、ゴールへの近道だと感じています。。
振り返り会の実施
振り返り会については、「第7回 プロジェクトの振り返りについて(前編)」でも取り上げていますが、日々の業務の中では見えてこない本音を確認する場として非常に有効だと考えています。
振り返り会や反省会というとプロジェクト終了時に行うイメージがあるかもしれませんが、プロジェクト途中も定期的に行うことで問題や課題にもいち早く対処することが出来、より良い改善策の検討やコミュニケーション強化にも繋がります。
また、独りよがりにならないためにも、広く意見(情報)を収集し、正しい対処を行うための仕組みづくりにもなると思っています。
「情報ツウ」には情報が集まる
親しみやすく気軽に相談しやすい人という印象を周囲の人から持ってもらえれば、何か問題が発生した際にも情報が入りやすくなります。相談しやすい人とはどんな人でしょうか。
筆者が考える人物像としては、共感してくれる、何等かの解決策を示してくれる、特定の分野に詳しい(有識者)、などです。解決策についてはその場で具体的アドバイスができなくとも、適切な相談先や問合せ先を紹介できると頼りにされる事も多いと思います。
また、問合せについて調べた内容などはナレッジとして溜める事を忘れずに。せっかく得た情報ですから、次に活かせるよう整理が必要です。
そして情報を持っている人には、より多くの情報が集まってくるようになります。
○○さんに聞けば何か知っている、とりあえず○○さんの耳には入れておこう、周りからそう思われ「情報を知るべき立ち位置にいる」と認識されたら、情報ツウとして認められたようなものです。
重要な会議の資料作成や議事録作成に携わると、様々な情報を手に入れることが出来ますので、目の前のタスクをこなすだけではなく、是非それを自分の情報として整理する力を身に付けてみてください。
おわりに
情報は他の人にも活かせる形にすることで、より価値のあるものへと変化します。
筆者はまず表形式に纏めるようにしています。時間が無くともとにかくそれだけはやると決めて、得た情報をExcel∗¹にどんどん記載していきます。一か所にまとめておくだけで情報が探しやすくなります。
また、何かを比較したい時は表形式にしておくと加工がしやすく、比較すべき軸が分かりやすいため、メリットデメリットの可視化、検討もしやすくなると思います。
情報を集めて整理するのは意外と労力が掛かります。ついつい後回しにしがちではありますが、タスクの一つとしてスケジューリングしておく事で、定常業務として回せたら理想的ではないかと思います。
情報は時間が経ってから必要になることもあります。問題が発生してから、決定した時の経緯や背景などを確認する場面も多々あります。集めた情報だけでなく、自ら経験した事や実行した内容についても、後から引き出せるようにしておくと、より周囲から頼りにされ、意思決定スピードを早める事が出来ると思います。メモなど残す習慣も身に付けておきたいですね。
キーワードを聞いたことがあるというだけでも役立つことがありますし、一見は関係無さそうな事柄でも実は繋がっているという事もあります。とにかく様々な情報に触れるよう、日頃からアンテナを張り、是非新たな発見を増やしてみてください。
今回の内容が皆さんの活動に少しでもお役に立ちましたら幸いです。
∗¹:Excelは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。