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質問は自分の言葉で

PJ活動お役立ちコラム
第120回 2023年3月14日
質問は自分の言葉で

第92回(2022年8月30日、質問の方法を考えてみる)のコラムで、質問にはオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンがあること、そしてその使い分けについてご紹介しました。
今回は、質問したいことが分かっている場合ではなく、そもそも自分が何を知りたいのか(自分は何が分からないのか)が分からないときに、自分の頭の中を整理しながら、少しずつ確認を進めていく方法についてお話したいと思います。

何が分からないのか分からない

「分からなことがあったら何でも聞いて」と言われることはよくありますが、「何が分からないのかが、分からない」となってしまう経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
知見がある領域であれば「なんとなくこんな感じか?」と、自分なりに道筋を立てることができるかもしれません。ですが知見の浅い領域だったりすると、理解が進まず悩んでしまうかもしれません。
そんなとき、どのようにすれば自身の理解を深め、また相手に確認が取れるようになるのか、筆者のこれまでの経験を踏まえお話したいと思います。

意味があやふやな言葉を書き出す

まず、分からないことは何なのかを明確にするため、聞いた内容で意味があやふやな言葉や、自分の理解に自身が持てない言葉をすべて書き出します。中には、一般的な語ではない専門用語があるかもしれませんが、一旦すべてを書き出し、辞書やインターネットを活用してその意味を確認します。明らかに一般的な語でないと分かるものについては、知っている人に教えてもらうと良いです。
言葉の意味をあやふやなままにしておくと、話が進むにつれさらに意味が分からなくなり、何が分からないのかす、分からなくなってきます。
自分が理解できていない語を書き出しその意味を再確認する、そうすることで、なんとなくでも分かったようになり、理解に向けて一歩前進できるはずです。

自分が理解している言葉に置き換える

それぞれの言葉の意味が分かり、なんとなく分かったような気はするのですが、それでもまだしっくり来ません。それは、まだ自分の理解が「借り物」の状態だからです。
理解をしっかりと「自分の物」にするため、なんとなく分かったことを、自分が理解している言葉に置き換えてみてください。つまり、「自分の言葉で言い直す」ということです。
自身が理解できている自分の言葉に置き換えることによって、はじめてその理解が「自分の物」になるのです。

自分の言葉で相手に確認する

自分の言葉に置き換え、自分自身がきちんと理解した状態になりましたが、ではそれが「本当に相手が伝えたかったこと」なのでしょうか?
そうかもしれませんし、そうではないかもしれません。それは相手にしか分からないことです。
ですので次にやることは、自分の言葉に置き換えた内容で、それが相手が意図したものであるかを確認してください。もし違っていれば相手から必ず、「●●とはどういうことか」、「●●はこの意味で合っている?」といった反応が返ってくるはずです。
このようなやり取りを重ねることで、自分の理解を深めつつ、相手の意図を確認できるはずです。

さいごに

このように、自分の言葉に置き換える癖を身に着けておけば、自分自身の理解を相手に示しながら、相手の意図を確認できるようになります。
これは自分自身の理解を相手に伝えつつ、またそれがYesかNoかを聞いていることになり、つまりは第92回でご紹介した「クローズドクエスチョン」で質問しているということになります。
クローズドクエスチョンは相手にとって答えやすく、また質問のやりとりもさほど苦にならないので、多少やりとりがあったとしても、煙たがられずに済むと思います。
スムーズに、かつ、お互いにストレスにならず確認が取れると思いますので、ぜひご自身の業務にも取り込んでいただけたらと思います。

いかがでしたでしょうか。
今回のお話が、皆さんのご参考になりましたら幸いです。