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質問の方法を考えてみる
PJ活動お役立ちコラム
第92回 2022年8月30日
質問の方法を考えてみる

お客様やプロジェクトメンバーなどに質問をしたとき、期待していた回答と乖離があった経験はありませんか?
質問内容が不明瞭で相手に伝わらなく、同様の質問を複数回して貴重な時間を奪ってしまったと反省したことがある方もいるかもしれません。
ではどのように質問すればよいのか、今回はその方法について考えてみたいと思います。
ご存じかもしれませんが、質問方法にはクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの2種類があり、それぞれの特徴を理解して使い分けることが大事です。
クローズドクエスチョンは、Yes/Noや3択のように回答範囲を狭めた質問方法です。
オープンクエスチョンは、回答範囲を狭めず自由に回答してもらう質問方法です。
それぞれのメリット・デメリットは以下のようになります。
種類 | 回答の選択肢 | メリット | デメリット | 例 |
---|---|---|---|---|
クローズドクエスチョン | あり (Yes/Noや3択など) |
回答にかかる時間が短く、ストレスが少ない。 | 一方的で誘導されていると感じる。 | 打ち合わせは13時からでよいですか。 |
オープンクエスチョン | なし | 自由に回答できる。 | 回答を考えるのでストレスを感じることがある。 | 課題解決のためには何をしたらよいですか。 |
上表からそれぞれのシーンで使い分けを考えてみましょう。
忙しい人に質問するときはクローズドクエスチョン
部下から上司への質問はクローズドクエスチョンが多くなると思います。
Yes/No以外で複数の回答が考えられるときは回答の選択肢に番号を付与し、「答えは1番目」などと時間をかけずに回答できるようにするのもよいかもしれません。
クローズドクエスチョンは回答を考える時間が短いので、忙しい人から早く回答がほしいときに効果的です。
質問内容によっては自分の情報整理と同時に相手との認識齟齬を確認できるかもしれません。
例えば手順の質問をするときには、自分はどこまで分かっていて、ここからが分からないというように伝えると思います。回答する側も相手の理解度が分かりやすいので、どこから説明すればよいかが明確になります。
筆者の業務の中でも、お客様の作業手順の確認を、クローズドクエスチョンで質問したことがあります。忙しいお客様だったので、お客様の作業を想像して回答を選択肢にして質問したところ、短時間で作業の全容を確認することができました。なお、このときは予想が外れていた部分もありましたが、分かるところまで考えた姿勢をお客様に評価いただくという効果もありました。
相手の言葉で回答がほしいときはオープンクエスチョン
上司から部下への質問はオープンクエスチョンが多くなると思います。
相手の考えを確認するときや、平易な雑談から相談事など自由な回答をしてもらいたいときに効果的です。質問する側だと、どのような回答がくるのか分からず気持ちが高揚したり、自分では考えられないような回答を聴くことができるでしょう。
筆者はオープンクエスチョンに回答する時、回答の内容が的を射ているのか相手の反応が気になることもありますが、自由に考え、発言ができるからこそ、新たな気付きを得ることもあります。
ビジネスにおいては、オープンクエスチョンのほうが相手の本音が聴けて、お互いの理解を深めることにつながることが多いように思います。
さいごに
以上のように2種類の質問を使い分けることで、それぞれのメリットを享受できますので、皆さんも実践してみてはいかがでしょうか。
一を聞いて十を知ることはなかなかできませんが、質問方法の選択によって一回の質問で三までなら知ることができるかもしれません。クローズドクエスチョンで分かりやすい質問をするように心がけて、仕事効率と人間関係を良好にしたいですね。
その一方で、リモートワークやハイブリットワークによって対面で話す機会が少なくなり、クローズドクエスチョンを使うことが多くなった方は、たまにはチームメンバーとゆっくりオープンクエスチョンで自由に語り合ってみるのもよいのではないでしょうか。
今回のご紹介がみなさんの活動のご参考になりましたら幸いです。