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恐れのない職場(プロジェクト)ですか?

PJ活動お役立ちコラム
第71回 2022年4月5日
恐れのない職場(プロジェクト)ですか?

第65回 あなたの「心理的安全性」の認識、誤解があるかも・・・』では、心理的安全性についての誤解をお話しました。
今回も同様に以下の本より、危険な「沈黙の文化」を解消するための「心理的安全性を高める取り組み」についてご紹介いたします。

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著者:エイミー・C・エドモンドソン
翻訳:野津智子 解説:村瀬俊朗
書名:恐れのない組織 ―「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
発行:英治出版
発行年:2021年2月
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危険な「沈黙の文化」

みなさんのプロジェクトでは、よくない状況や重要な報告、懸念点等があるのに、チームメンバが恐怖や威圧感を感じて「言うべきことがあるのに、言えないと感じる心理的状況」になっていませんか?
耳を傾け学ぶべき立場にいる上位層の人やプロジェクトマネージャは、自分の存在が下位層の人々を押し黙らせてしまうことがあることに気づかずにいるのかもしれません。
また、上位層の人が意図的に下位層の人々を押し黙らせていることもあるかもしれません。

さらに、本書で引用されている『日本文化に深く染みついた慣習――盲目的服従、権威に異を唱えたがらないこと、集団主義、閉鎖性』がプロジェクトに染みつき、率直な発言を言えず抵抗もできない状況にいつの間にか陥っているかもしれません。

このような「沈黙の文化」は非常に危険な状態です。
プロジェクトの成功から遠ざかるだけでなく、メンバの心理的・身体的安全におけるリスク要因にもなっています。

恐れのない職場とは

では、沈黙しない「恐れのない職場」ではどのようなことが行われているのでしょうか。
本書の例をご紹介します。

  • 率直さを実現する
  • 透明性を持つ
  • 遠慮なく失敗する
  • 実りある衝突をする
  • 無知であることを率直に話す
  • 謙虚に耳を傾ける
  • メンバを大切にする

みなさんのプロジェクトで実現されているものはいくつあるでしょうか?

心理的安全性を生み出す3つの行動

本書では心理的安全性を生み出す3つの行動とその詳細について説明しています。
ここでは抜粋してご紹介します。ぜひ1つからでも行動してみてください。

  1. 土台をつくる
    ・率直な発言の必要性を明確にする
    ・目的を際立たせる
  2. 参加を求める
    ・完璧でないことを認める
    ・発言を引き出す問いをする
    ・仕組とプロセスを確立する
  3. 生産的に対応する
    ・感謝を表す
    ・失敗を恥ずかしいものでないとする
    ・明確な違反について処罰する

おわりに

本書では、以下のように語っています。

「心理的安全性を高めることは、簡単ではないし、楽しいときばかりではないが、この困難な取り組みに投資して積極的にチャレンジすると、きっと報われる。」
「自分達の意見が尊重されることを従業員が知っている職場には、本物のエンゲージメントと桁違いのパフォーマンスを生む新たな可能性がもたらされる」

今回のご紹介がみなさんの気づきと行動となり、プロジェクトの成功だけでなくメンバの成長にもつながれば幸いです。