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あなたの「心理的安全性」の認識、誤解があるかも・・・
PJ活動お役立ちコラム
第65回 2022年2月22日
あなたの「心理的安全性」の認識、誤解があるかも・・・

複雑で不確実な世界において、ビジネスで成功するためには何が必要なのでしょうか?
優秀な人材を採用すればそれでいいという時代ではなく、優秀な人材が力を合わせて仕事をする必要があります。
Googleの研究で「心理的安全性」がチームのパフォーマンスと生産性を高めることが明らかになり注目を集めています。
「心理的安全性」とは、チームの他のメンバが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信でき、気兼ねなく意見を述べることができる状態のことを指しますが、この「心理的安全性」について正しく理解できていますか?
今回は、この「心理的安全性」についての誤解を解き、メンバの成長・成功を手伝い、そして、知識集約型組織がより効果的に活動できるようになるための新たな考え方と方法を教えてくれる本を紹介します。
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著者:エイミー・C・エドモンドソン
翻訳:野津智子 解説:村瀬俊朗
書名:恐れのない組織 ―「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
発行:英治出版
発行年:2021年2月
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心理的安全性についての誤解
「心理的安全性を話題にする人が増えるにつれ、その概念が誤解される危険性が強まってきている」と、「心理的安全性」研究の第一人者でもある著者が本書で語っています。
みなさんも知らず知らずのうちに誤解をしているかもしれません。
「心理的安全性」を正しく理解して、みなさんのプロジェクトで効果的に取組むために、よくある誤解について、ここで確認してみませんか。
(以下本書からの抜粋)
- 心理的安全性は、感じよく振る舞うこととは関係がない
心理的安全性とは、率直であるということであり、建設的に反対したり気兼ねなく考えを交換しあったりできるということである。 - 心理的安全性は、性格の問題ではない
心理的安全性は外向性と同義だと説明する人がいるが、研究結果は内向性や外向性は無関係であった。
心理的安全性は職場風土であり、心理的に安全な風土であれば、人は内向的か外交的かにかかわらず、アイデアを提供し、懸念を述べることができる。 - 心理的安全性は、信頼の別名ではない
信頼とは、あなたが他者をとりあえず信じてみるということであり、心理的安全性とは、あなたがたとえば支援を求めたり過ちを認めたりしたときに、他者があなたをとりあえず信じてみようと思ってくれるということである。 - 心理的安全性は、目標達成基準を下げることではない
心理的安全性は、「勝手気ままな」環境や職場で「気楽に過ごす」という意味ではなく、野心的な目標を設定し、その目標に向かって協業するのに有益なものである。
心理的安全性は、より率直に話し、好奇心旺盛で、協力し合い、結果として高い効果をあげる職場環境の土台である。 - 心理的安全性だけでは十分ではない
心理的安全性があれば、可能であるはずのことが不可能になるのを減らせる。
ただし、組織を動かすのは心理的安全性ではなく、次の2つである。
・心理的安全性をつくって学習を促進し、回避可能な失敗を避けること
・高い基準を設定して人々の意欲を促し、その基準に達成できるようにすること
いかがでしたか?
みなさんの認識を整理できましたでしょうか。
みなさんのプロジェクトの心理的安全性
みなさんのプロジェクトが、重要な報告や情報が上がってこなかったり、率直に意見を言えない雰囲気になっていませんか。また、波風を立てないために歩調を合わせるプロジェクト文化になっていませんか。
その場合、本書でいうところの「危険な沈黙」状態に陥っており、プロジェクトの成功から遠ざかり、メンバの心理的・身体的安全におけるリスク要因にもなっています。
今回は「心理的安全性」という概念の誤解を解きましたが、次回は、「危険な沈黙」状態を解消するための「心理的安全性を高める具体的な取り組み」について考えていきたいと思います。
このご紹介がみなさんの活動のご参考になりましたら幸いです。