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今こそ磨きたい「問題発見力」
PJ活動お役立ちコラム
第52回 2021年11月23日
今こそ磨きたい「問題発見力」

問題発見力とは?
今回のコラムのテーマは「問題発見力」です。
「問題発見力」は文字通りに捉えると、問題を発見する力のことです。
「え、そんな力必要あるの?」と思われましたか?
確かに、これまで問題は発見するものではなく、与えられるものだったかもしれません。
(学校のテストの問題、顧客や上司からの「明日までにこれやっておいて」という無理難題...)
しかし、不確実性の高いVUCAと呼ばれて久しい今の時代、与えられる問題そのものを正面から解決しようとしてもうまくいかないケースが増えてきているのではないでしょうか。
今、求められる「問題の本質を見極める力」
例えば、皆さんが顧客から「DXツールAを導入したいので、調査してほしい」と依頼されたとしたら、何から始めるでしょうか?
このとき、ツールAについてインターネットで検索したり、書籍を読みこんだりして、基本的な情報をどんなに早くきれいにまとめても、おそらく顧客がかかえる問題の解にはならないでしょう。
「ツールAを使うこと」自体は手段の1つに過ぎないからです。もしかしたらツールを導入しなくてもプロセスを見直すだけで解決できる問題かもしれませんし、別のツールBの方が優れている可能性もあります。
そこで、「ツールAを使うこと」の前に、まず顧客が抱える問題を正しくとらえる必要がありますよね。
- そもそも解決すべき問題は何か?
- なぜそれが問題なのか?
- なぜツールAなのか?
といった上位目的を繰り返し突き詰めて引き出すことで、初めて問題の全体像を理解し、適切な手段の検討に取り掛かることができます。
困ったことに曖昧な依頼をする方自身も問題がどこにあるのか明確にわかっていない、というケースは多々あります。
だからこそ、手段が目的化されていないか与えられる問題そのものを疑い、俯瞰的に捉えることで問題の本質を発見する力が求められているのです。
なお、「目的の重要性」については過去のコラムでも触れていますので、こちらも併せてお読みいただきたいと思います。
> プロジェクトマネジメント型仕事における「目的」の重要性
問題発見力の磨き方
さて、上記のような「問題発見力」を身に着けたい、磨きたい、と思われた方におすすめの書籍を紹介します。
著者:細谷 功
署名:メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問
出版社:PHPビジネス新書
発行年:2016年
「メタ(meta)」という言葉は聞きなれない方もいらっしゃるかもしれません。
ギリシャ語で「高次の」「超越した」という意味の接頭辞です。
心理学では「自分が何かを認知しているということの認知」を「メタ認知(metarecognition)」と呼びます。
例えば、誰かと会話しているうちにだんだん自分の口調が強くなってきて「ああ、いま自分はイライラしているな」と自分のことを幽体離脱して客観的に眺めて気づくようなイメージです。
本書では様々な物事を一つ上の視点から考える「メタ思考」を実践する演習問題を通して、
- 自分の価値観や考え方の癖を知る
- 自分の視野の狭さに気づく
といったことができるようになり、新しい発想や成長の機会を増やすことを目的としています。
いくつか本書で提示される演習問題の例をご紹介します。
日本古来の言葉遊びである「謎かけ」に似ていますね。
もちろん、答えは一つではありませんし、明確な答えが決まっているものではありません。
<本書より>
◎問題:「タクシー」と「土産物屋」の共通点は?
◎問題:「信号機」と「特急の停車駅」の共通点は?
皆さんはどんな共通点を思いつきましたか?
ぱっと浮かばない方はぜひ本書を手に取ってみてください。
視野を拡げて物事の本質を発見する力を磨き、不確定な未来を創る武器にしていきましょう!