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プロジェクトで得た教訓の残し方(前編)
PJ活動お役立ちコラム
第14回 2021年03月2日
プロジェクトで得た教訓の残し方(前編)
教訓の残し方をコンビニやテーマパークに学ぶ
プロジェクト振り返りの場では、結果(QCD)とプロセスの両方の観点で、メンバーが経験したことやそこで得た知見や次につながるヒントを、メンバー全員で出し合います。それ自体も前回ご説明したような留意事項があったりテクニックがあったりするのですが、それを「次」に向けて残す「残し方」にも、知恵と工夫が必要なのです。
皆さんの中に、コンビニエンスストアやテーマパークでのアルバイト経験がある方がいらっしゃればわかると思いますが、こういった業界では非常に質の高い業務マニュアルを用意しています。この業務マニュアルは、新規に採用した店員やアルバイトが、比較的短期間に一定水準の仕事ができるように工夫されています。
現場作業は複雑で、想定外のことが次々に起こります。近くに頼りになる先輩がいるとは限りません。それでも、目の前にいるお客様に対して言い訳はできません。・・・これって、プロジェクトで問題に直面した時の状況に似ていませんか?
思い浮かべてください。いい業務マニュアルには、具体的なシーンが記載されています。そっくり同じ状況でなくても、経験の浅い店員であっても、いま目の前で起きている事象と引き比べて、応用できるように考えられているのです。
プロジェクト振り返りで得た知恵も、同じことです。プロジェクトは千差万別、あるプロジェクトで起きたのと同じ状況で同じ事象に巡り合う可能性はほとんど無いでしょう。それでも、上手なプロマネは、あのときのあの事象に近いな、と気付けるのです。そのときと同じことを再現すればうまく行くし、同じ失敗を繰り返さないために注意すべきポイントを見抜けるのです。
みんながすごいプロマネであるはずはありません。コンビニやテーマパークのアルバイトが全員スーパーマンなはずもないように。そう考えると、再現できるように情報を残すことがいかに重要かということに気付かされます。
そこで、抽象化の出番です。といっても別に難しい話ではなく、どの情報を残すかということです。
今回は「プロジェクトで得た教訓の残し方」の前編として、再現できるように情報を残すことが重要であることをお話ししました。
次回は後編として、「抽象化して情報を残す」ということをお話しします。
> プロジェクトで得た教訓の残し方(後編)