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マネジメントできないプロマネの5つの共通点(後編)
PJ活動お役立ちコラム
第11回 2021年02月09日
マネジメントできないプロマネの5つの共通点(後編)
前回は「マネジメントできないプロマネの5つの共通点」の前編として、下記5つの共通点の4番目までお話ししました。
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プロジェクトのゴールをイメージできていない
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初めにプロジェクトの全体像を把握していない
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そもそも技術に精通していない
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社内プロジェクトメンバーや顧客との関係性が構築できていない
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事前のリスク洗い出しが不十分
後編の今回は、共通点の5番目と、本質的な問題解決のために必要なことについてお話しします。
プロマネとしての自分は何をすべきなのか、誰がどの責任をいつまでに果たすのか、現場、現実、現物を目視で確認するタイミングはいつなのか、事前に明確にゴールをイメージし、そこに至るプロセス全体を把握できていれば、どこで問題が生じそうか、どこに潜在的なリスクがあるか、こうしたことも事前に明確にできると思います。その結果、開発工程の各プロセスで必要な要件を事前に準備したり、関係者への十分な根回しができたり、その都度必要となるドキュメント類を始めとする成果物も明確にすることができます。
つまり、こうした活動を通じて、5つの共通点の5番目である先々に生じるリスク想定やリスクの洗い出し精度も高めることができます。
本質的な問題解決のために
ここからは、プロジェクトが上手く回らない5つの共通点をご理解いただいた前提でお話しますが、こうした背景には、「プロマネ業務が多忙過ぎる」という組織運営上の仕組みの問題が横たわっているように思います。
先述したように、システム開発は要素技術の劇的な進化に伴い、高度化・複雑化する傾向が顕著であり、従来のプロジェクトマネジメント手法だけでは通用しない側面も強くなっており、プロマネの社内外における調整事項は従前より桁違いに多くなっています。
こうした状況を放置し、プロマネたるもの「技術に明るくなれ」、「全体を把握せよ」、「リスクを事前につぶし込め」という掛け声だけでは解決しない問題があるように感じています。そもそも、プロマネには時間的にも精神的にも余裕がない状況に目を向けるべきでしょう。その解決には、「プロマネの負荷を下げるためには何が必要か」、「注力すべき本業は何か」など、組織運営上の仕組みに踏み込んだ改革が必要だと思います。
当社においても、プロマネや開発者が本業に注力できる環境を整えるための各種サービスをご用意していますが、「ぜひ当社サービスをご利用ください」というセールスをするつもりはまったくなく、御社の内部でこのような視点で議論と改革を進めてみてはいかがでしょうか、という組織改革のヒントの一助になればとの思いから、今回の執筆を進めてきました。
プロマネ人材の希少性に注目してほしい
世の中的に年々IT人材は不足しており、その中でもプロマネ人材はもっとも減少傾向が顕著になっています。その意味でもプロマネ人材の育成は大事に行っていただきたいと考えます。
前向きな失敗なら成長を促す場合もありますが、孤独な闘いを強いるだけの消耗戦を続けていては、人材をいたずらに潰すことになり、その結果、エンゲージメントの低下を招き、引いては、御社の市場競争力を低下させることにもなりかねません。
冒頭の5つの共通点を念頭に置いたプロマネの強化や、プロマネが本業に注力できる改革を通じて、御社の企業価値や市場競争力を高めていってください。
今回の内容が、お役に立てば幸いです。
> マネジメントできないプロマネの5つの共通点(前編)