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マネジメントできないプロマネの5つの共通点(前編)
PJ活動お役立ちコラム
第10回 2021年02月02日
マネジメントできないプロマネの5つの共通点(前編)
今回は「マネジメントできないプロマネの5つの共通点」というテーマで2回に分けてお話しします。ずばり結論から言うと5つの共通点は下記になります。
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プロジェクトのゴールをイメージできていない
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初めにプロジェクトの全体像を把握していない
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そもそも技術に精通していない
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社内プロジェクトメンバーや顧客との関係性が構築できていない
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事前のリスク洗い出しが不十分
プロジェクトマネージャーの経験がある方なら、一つや二つ思い当たることがあるのではないでしょうか。
ご承知のとおり、プロジェクトマネジメントにおいては、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)という知識体系の整備が進み、プロマネとして学ぶべきことやあるべき行動の方向性が明確に示されています。また、PMP、PMIといった認定資格制度なども存在しています。加えて、昨今、ITベンダー各社ではプロマネ活動にAIを導入し、膨大な過去データを機械学習によって分析することでプロジェクト進行上のリスク管理を強化していこうとする動きも活発化しつつあります。
こうした動きは、複雑化、高度化する傾向が顕著なシステム開発業務や開発現場の負荷軽減のために、なくてはならない要件であることは間違いありません。
プロマネは何を追求すべきなのか
冒頭で記載した5つの共通点は、普段、当社が開発プロジェクトをご支援する中で、常に感じている内容です。この5つが当てはまる場合、かなりの高確率でプロジェクトは炎上する傾向が高いように思います。これは確信に近い感覚です。
プロマネの多くの方々は、その任務にアサインされるぐらい優秀なため、PMBOKなどのベース知識は十分に保有しています。それでもプロジェクトを上手く回せないのは何故なのか。単なる知識は必要条件であっても十分条件ではないことの証です。
他方、プロマネとしての経験値は高いベテランプロマネであるにも関わらず、プロジェクトを上手く回せていないケースも散見されます。その現象からは、プロマネとしての経験値に加え、担当技術領域の専門性もプロジェクト成否を左右する大きな要件の一つであることが伺い知れます。これは冒頭で記載した5つの共通点の3番目になります。しかし、プロマネとしての知識や経験だけではどうにもならない実情があるなら、技術的な専門性を兼ね備えた人材がプロマネを担当すれば良いかというと、そんな単純ではない厳しい現実があるようです。
プロマネに求められる全体把握力
そこで大事になるのが、冒頭で記載した5つの共通点の1番目、2番目、4番目になります。
開発プロジェクトは、その業務特性がルーティンワークでないことはご理解いただけると思います。ルーティンワークではないため、途中で予期せぬ問題が生じることは容易に想像できるのではないでしょうか。言い方を変えると、問題の起きないプロジェクトはない、とも言えます。それでは、「プロジェクトの成否を分ける要素は何なのか」という問いになりますが、その答えは、「いかに問題を顕在化させずに事前につぶし込むことができているか否か」しかありません。
プロジェクト開始前には、そのプロジェクトが担うべきスコープの定義やゴールが設定されると思いますが、その詰めに甘さがある、あるいは、その把握が不十分であるプロマネが多いように思います。つまり、そのプロジェクトが担う目標やゴールに対する認識、ゴールから逆算した各関係者の役割分担や都度必要となる成果物、これらを曖昧にしたままプロジェクトをスタートしているケースが非常に多いように思います。ゴールについては、そもそも発注先(お客様)の担当者やキーマンとの認識をどこまで一致させることができているかについても、欠かすことのできない重要な要件です。
今回は冒頭に記載した5つの共通点のうち、4番目までお話ししました。
次回は後編として、5番目の共通点と、本質的な問題解決のために必要なことについてお話しします。
> マネジメントできないプロマネの5つの共通点(後編)