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コツコツ積み上げる業務効率化

PJ活動お役立ちコラム
第188回 2024年9月3日
コツコツ積み上げる業務効率化

一般的に、新しいプロジェクトに取り組む際は、事前に策定した計画に沿って業務を遂行します。しかし、予期せぬ問題や緊急対応が発生したり、計画していたリソースが急激に不足するなど、プロジェクトを進めるうえで予期せぬ業務の増加に悩んだ経験が少なからずあるかと思います。
理想は、増えた業務に対応できるリソースが十分にあればよいのですが、現実はそう甘くはありません。増え続ける業務対応のために残業による一時的な対策をとることがありますが、これでは持続性は望めません。そのようなときに、既存業務が効率化されれば、新たなリソースを生み出せるのではないでしょうか。

業務効率化の方法

一般的な業務効率化の方法は、以下の通りです。

  • 業務の見える化:全ての業務を洗い出し、視覚的に整理します。
  • 優先順位の設定:業務の重要度と緊急度に基づき、優先順位を付けます。
  • 改善方法の決定:業務の自動化(ツールやソフトウェアを使用)、削減または廃止、作業分担などを決めます。

業務の見える化と優先順位を設定進めることで、「価値を生んでいない業務」を見つけて廃止することは効率化につながります。例えば、前任者から急いで引き継いだがために作業理由がわからない業務や、お願いされたものの何気なく続けている業務があれば、その必要性を見直してみてください。特に長年続けてきた業務や、関係者が多い業務を廃止することは、関係者との調整を考えるだけで諦めたくなりますが、効率化につながるかもと、立ち止まってその必要性を確認してみましょう。大規模で忙しいプロジェクトほど、役割分担が不明瞭であったり、同じ作業をしているチームが複数存在していたり、プロジェクト進行中に必要だった業務が不要になっていたというような状況が多く発覚する傾向にあります。そして、業務廃止のために関係者と合意を取ることは苦労を伴いますが、一度成功すれば大幅な効率化が期待できます。完全にやめられない場合でも、頻度を減らすことはできないかと検討することが有効です。
また、近年はRPAツールや生成AIが身近になってきており、組織全体でなく個人レベルでも業務の自動化を進めることが可能となりましたので、これらを活用してもよいでしょう。

業務効率化は「小さな改善をコツコツ積み重ねる」ことが大切

筆者も、緊急の業務が重なることでひっ迫した状況に立たされた経験があります。その際、チームメンバーから「業務を分担しましょう」と提案されましたが、説明にかける時間がなく、ほとんど断っていました。親切を無下にしてしまったと落ち込みましたが、立ち止まって自身の行動を振り返る余裕もなかったため、少しでも自分でできるところからと小さな効率化を進めました。
一番簡単だったのは、以下のような小さな業務を「減らす」もしくは「やめる」ことでした。

減らす
  • 毎日行っていた申請業務を隔日にする。
  • 毎週行っていた会議を隔週にする。
  • 部分的に業務を自動化する。
やめる
  • 会議の参加:会議を欠席して、後から決定事項だけを確認する。
  • 新規の資料作成:流用できるものがあれば積極的に利用する。
  • 不要な資料作成:関係者への確認や、資料の閲覧履歴を確認して廃止する。

大規模な業務効率化を一気に進めることは難しいですが、個々の小さな効率化をコツコツと積み重ねることで、全体の負荷の軽減につながると感じました。
そして、プロジェクト進行中に「業務量の増加」の問題に再び悩むことになった場合でも、時間がなくなる前に既存の定型業務を見直し、効率化を図る習慣をつけておくことが重要だと思います。

業務効率化にあたり注意すべきこと

一方で、業務効率化を進めるうえで注意しなければならないことがあります。それは、「手段の目的化」です。業務を効率化すること自体が目的になってしまい、その先にある本来の目的を見失ってしまっては本末転倒です。業務効率化を推進する際には、プロジェクトメンバーの作業に支障はないか、お客様が求めているサービスレベルに影響はないかなど、多角的な視点での検討と慎重な判断が必要であることも忘れないように注意しましょう。

さいごに

小さな業務効率化の積み重ねは、時間とコストの削減だけでなく、プロジェクトメンバーひとりひとりが働きやすい環境づくりにもつながります。初めは小さな一歩かもしれませんが、その積み重ねが大きな効果を生み出します。みなさんが日ごろ感じている業務負担を少しでも軽減するために、このコラムが参考になりましたら幸いです。

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