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仕事を楽しめるように~前向きに、やりがいを感じる~

PJ活動お役立ちコラム
第178回 2024年6月18日
仕事を楽しめるように~前向きに、やりがいを感じる~

近年、従業員が仕事にやりがいを感じてモチベーション高く働き、パフォーマンスを上げてもらうことは、どの企業にとっても重要な課題ですが、解決にはまだまだ時間がかかると感じている方は多いのではないでしょうか。筆者の周りでも、仕事のやりがいを感じることができないという声が若手新人だけでなく、中堅層からもあがっています。
そのため、日本でも浸透が広がっている施策「ジョブ・クラフティング」について、取り上げます。

ジョブ・クラフティング(Job Crafting)とは

仕事のやりがいや満足度を高めるために、社員みずから主体的に仕事への認知や行動を変化させる取り組みです。イェール大学経営大学院のエイミー・レズネスキー准教授と、ミシガン大学のジェーン・E・ダットン教授により2001年に提唱された理論であり、従業員が自らの意思で仕事の意味や内容を再定義し、価値を生み出していくという点が重要です。
会社や上司の指示ではなく、自身で考えて行動し、取り組んでいる業務の価値を見直しながらモチベーションを高めていくのが基本的な考え方です。

ジョブ・デザインとの違い

ジョブ・クラフティングは社員一人ひとりの主体性を軸に進めていくのに対し、ジョブ・デザインを実施するのはあくまでも企業側(組織)であり、個々の価値観を重視せず仕事を客観的に設計していくという点に違いがあります。

  ジョブ・デザイン ジョブ・クラフティング
基本的アイデア マネジャーが、従業員の内発的動機づけや職務満足が高まるように、従業員の職務を変更する 従業員自らが能動的に仕事や人間関係を変更し、自分の仕事の経験を創り上げることができる
変更する主体 マネジャー(組織) 従業員自身
従業員の捉え方 画一的/受動的存在 個別的/能動的存在
注目点 客観的側面に注目 主観的側面にも注目

【出典】2021年 高尾義明『「ジョブ・クラフティング」で始めよう働きがい改革・自分発!』

ジョブ・クラフティングの種類

ジョブ・クラフティングは、実践するうえで必要となる3つの視点があります。これらは、自分の仕事を主体的に見直すためのアプローチです。

  1. 業務クラフティング
    自分なりの創意工夫をもとに仕事内容の充実化を図ります。根本的なやり方すべてを変えるのではなく、普段の業務や自分の能力から実現できる小さな工夫でも問題ありません。
  2. 関係性クラフティング
    周囲との関わり方を見直し、仕事の満足感を高めます。
    自分にとっての働きやすさだけを求めて関わり方を変えるのではなく、組織における自分の立場や役割を意識して相互に変化をもたらすように働きかけることが重要です。
  3. 認知的クラフティング
    仕事の目的や意味を考え直し、新たな意義を見出すことで、仕事を前向きに捉え、やりがいを持って関われるようにします。
    捉え方を変えることで「やらされ感」から脱却し、主体的に関わる姿勢を身につけます。

ジョブ・クラフティングの効果

ジョブ・クラフティングの導入により、企業や組織に様々な前向きな変化が起こります。

下記はその一部です。

  • エンゲイジメントが高まる
  • 生産性が向上する
  • 社員の自発的な成長が促進される
  • 社内コミュニケーションが活性化する
  • 離職率が低下する

ジョブ・クラフティング導入の注意点

ジョブ・クラフティングは、企業や組織が主導となって行うジョブ・デザインと比べて、導入の難易度は高いのが特徴です。ジョブ・クラフティングを社員に任せきりにするのではなく、上司との振り返りの時間を設けたり、社内のチームと情報共有したりすることで、必要に応じて軌道修正を促し、属人化の防止を行います。

さいごに

ジョブ・クラフティングは、「仕事そのものを変えるものではなく、働き方に小さな工夫を加え、働きやすさを高めることである」、と筆者は捉えています。
まずは、自分の仕事を振り返り、無意識に行っていた工夫に気付くだけでも、前向きに捉えることができ、働く活力につながる(=仕事を楽しむことができる)と考えます。
今できることは何か、新たにできそうなことはないかを考え、筆者は自身のチームで少しずつ始めてみようと考えています。
皆さんも、いま出来ることから始めてみてはいかがでしょうか。
今回の内容がみなさんの活動に少しでもお役に立ちましたら幸いです。

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