Displaying present location in the site.
「マネジメント」と「コントロール」の違いとは?
PJ活動お役立ちコラム
第176回 2024年6月4日
「マネジメント」と「コントロール」の違いとは?

はじめに
プロジェクトを成功するためには、「マネジメント」と「コントロール」の両方が不可欠だと筆者は考えます。みなさんは、この言葉の違いについて意識したことはありますか?この2つの言葉の意味を調べると、どちらも「管理」の意味が出てきます。類似した意味を連想させる混同しやすい言葉ですが、この2つの言葉を理解することは非常に大切なことだと考えます。
今回は、「マネジメント」と「コントロール」の違いについて、筆者の考えをお伝えしたいと思います。
「マネジメント」と「コントロール」の違いとは?
まずは、「マネジメント」と「コントロール」の違いについて考えてみたいと思います。それぞれを辞書で調べてみると、以下のように記載されています。
・マネジメントとは「管理」、「経営」、「経営管理」、「組織運営」
・コントロールとは「管理」、「制御」、「調整」、「統制すること」
マネジメントもコントロールも確かに、「管理」の言葉が含まれています。ただし、全体の意味合いを考えてみると、少しニュアンスが異なると感じないでしょうか。そこでもう少し意味合いについて考えてみました。
「マネジメント」とは、目標を設定し、それを達成するための計画を立て、チームを動機づけて指導をすることです。これには、リソースの割り当てや、スケジュールの管理、チームメンバーの役割定義などが含まれます。マネジメントの主な目的は、プロジェクトを円滑に進め目標を達成することです。
一方で「コントロール」とは、プロジェクトの進捗を管理し、計画通りに進んでいるかを確認し、必要に応じて調整を行うというプロセスです。 これには、予算の管理、スケジュールの遵守、品質の確保などが含まれます。コントロールの目的は、プロジェクトが計画通りに進むように調整することです。
この2つの言葉は、サッカーチームに例えると、理解しやすいかもしれません。マネジメントは監督やコーチの役割で、コントロールはキャプテンに近いと思います。監督やコーチはチームの方針を決定して選手を育て上げ、対戦相手に対する戦略を検討・作成します。対するキャプテンは、試合中のチームのパフォーマンスを管理し、必要に応じてフィールドプレイヤーの配置を調整し、試合が順調に進行するように監督と連携します。
「マネジメント」と「コントロール」は異なる概念ではありますが、それぞれが互いと密接に関連しあっています。良いマネジメントは有効なコントロールに依存し、有効なコントロールは適切なマネジメントによって補完されます。組織と一体になってチームを動かしていくわけです。
「マネジメント」と「コントロール」を意識しプロジェクトを成功へ
マネジメントとコントロールの2つの概念は、プロジェクトを成功するために同時に存在し、互いに強く依存しています。どちらも重要ですが、これら2つの概念が適切に理解され、適切に機能することが不可欠です。
マネジメントとコントロールは双方が相互に補完しあう2つの重要なビジネス概念であり、一方が他方の存在なしには機能しないということです。だからこそ、設定された目標へ向けて正確に舵を取りつつ、その進行方向を確認し続けることの重要性を理解するために、これらの違いと相互関係を理解することは極めて重要です。
また、自分自身の仕事に対するアプローチにも役立つことでしょう。マネジメントの視点からは、自らの職務に対する長期的な戦略や目標を適切に設定することができ、コントロールの視点からは、その達成に向けた日々の進行状況を詳細にチェックし、必要に応じて調整することが可能になります。
これらのスキルを身につけることで、自分の仕事への理解を深め、また全体の流れを読む力を養うことができ、結果的にチームや組織全体の生産性向上につながると考えます。
さいごに
今回は、「マネジメント」と「コントロール」の違いについて、筆者の考えをご紹介しました。マネジメントは何かしらの目標を達成することが目的で、一方、コントロールは「計画通りに正しく業務を進めること」が目的だと思います。それぞれ異なる側面を持ちながらも、2つの意味を理解することで組織やプロジェクトは目標に向かってより効果的に進むことができると思います。
筆者の考えが皆さまの活動のご参考になれば幸いです。