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成長を加速させるセルフコーチングのススメ

PJ活動お役立ちコラム
第175回 2024年5月28日
成長を加速させるセルフコーチングのススメ

皆さんは、日々の業務の中で、「自分やチームは成長している」と実感することはあるでしょうか。
新年度のスタートから少し時間が経ちましたが、まだ新しい環境に馴染めなかったり、わかりやすい成果を出せないことに落ち込んだりすることもあるかもしれません。
今回のコラムでは、ポジティブな変化や成長を見つける方法やその効果についてお話したいと思います。

「成長したこと」が無い?

筆者がこのコラムを執筆している時期が年度末から年度初めということもあり、昨年度の取り組みを振り返り、今年度の目標を立てるといった機会が多くなりました。
そのような時期に、同じチームのメンバーから「課題や反省点はたくさん出てくるが、いつも『成長したこと・継続したいこと』が思いつかないので困っている」という相談を受けました。
しかし、いくつか質問をしながらそのメンバーの話を聞いてみると、真似したくなるような取り組みや気づき、成長を感じられる出来事がいくつもあることがわかりました。
成長したことが無かったのではなく、その引き出し方を工夫する必要があったのです。

ポジティブな変化や成長を見つける方法

では、「引き出し方を工夫する」とは、具体的にどのようなことでしょうか?
筆者自身、どちらかというと失敗したことを真っ先に思い出してしまう性格なのですが、意識して、次のような問いを立てるようにしています。

  1. なぜその行動を起こしたか?
    まず、小さなことでもよいので、チームや個人で新しく取り組んだこと・誰かに感謝の言葉をかけられた行動(事実)を書き出してみます。次に、その一つ一つについて、「なぜ、その行動を起こそうと思ったのか?」(動機、背景)を追記します。
    すると「過去のあの経験や気づきを活かせるようになっていた」「相手の状況を観察し、先回りした行動ができるようになっていた」といった、成長のヒントが見つかりやすくなります。
  2. 過去に戻って伝えるとしたら?
    半年前・1年前・数年前と期間を区切ることで、変化や進歩を見つけやすくなります。
    特に、1年前に作成した資料等、形に残っているものは視覚的に確認できるため、変化がわかりやすい題材だと思います。
    久しぶりに眺めてみると、過去の自分やメンバーに対して「もっとこうすればよかったのに」とアドバイスしたくなるポイントが見つかるはずです。
    それは、当時から経験を重ね、成長したことで獲得できた視点であると言えるでしょう。
  3. ポジティブな表現に変換すると?どうしてもネガティブな言葉が出てきてしまう場合は、そのまま書き出し、次にポジティブな言葉に変換してみるのもよいでしょう。 ・時間がかかってしまった → 慎重に対応できた ・当初の計画を変更することになってしまった →状況に合わせて柔軟に判断できたといった調子です。

いかがでしょうか。
1~3でご紹介した問いを投げかけることで「この期間で自分やチームはしっかり成長できた。これからも成長しつづけることができるだろう。」「この学びを個人やチームだけではなく、組織の力につなげるには?」といった建設的な思考になり、次の成長につながる目標設定ができるようになると感じています。

セルフコーチングのススメ

こうした引き出し方や問いの立て方はコーチングの一種とも言えそうです。
コーチングとは、相手の目標達成や課題解決を支援するために、会話によって相手の能力を引き出しながら、自発的な行動を手助けするコミュニケーションスキルです。コーチは、具体的なアドバイスや意見を言いません。代わりに相手の話を聴いたり、質問をしたりすることで、相手が自ら答えにたどり着くことをサポートします。

このコーチングを自分自身で行うことを「セルフコーチング」と呼ぶそうです。「自問自答」と似ていますが、ここで重要なことは、気持ちがポジティブになるような問いを意識して投げかけることです。
自分のことをポジティブな面を含めて客観的に見ることができるようになり、自信を持って新しい挑戦ができるようになる、という効果が期待できます。

さいごに

セルフコーチングを継続することで、ポジティブな気持ちで業務に取り組めるようになるだけでなく、自然と他のメンバーに対するコーチングのスキルも身に付き、チームや組織としての成長にもつながると思います。
時間や場所を選ばず実践できるため、皆さんも日々の振り返りに取り入れてみてはいかがでしょうか。

今回のコラムが皆さんの活動のご参考になりましたら幸いです。