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図を使った効果的な情報共有
PJ活動お役立ちコラム
第173回 2024年5月14日
図を使った効果的な情報共有

情報共有は、プロジェクトやチーム運営を円滑に行うために大事な役割だと考えています。しかしながら、必要な情報をわかりやすくスピーディに伝えたいと思っているものの、うまくいかないこともよくあります。今回は、情報共有や認識合わせに役立つ「図」を活用することの効果について考えてみたいと思います。
情報共有の難しさ
情報を伝える際には、文章だけでは伝わりにくい場合があり、認識のズレが生じることがあります。また、情報の複雑さや抽象度が高い場合にも、理解が難しいことがあります。
筆者は言葉や文章で表現するのが苦手で、言いたいことがうまく伝わらない悩みを抱えていました。試行錯誤する中で図を用いて説明したときに、相手からいつもより納得した雰囲気を感じることがありました。
図を使った情報共有のメリット
図は複雑な情報を簡潔に表現することができ、文章だけでは伝えるのが難しいような関係性やパターンも、図があると一目で理解しやすくなります。図に書き込める情報量が限られているため、主要なポイントが強調され、全体像も把握しやすくなります。
また、図を用いると情報を視覚的に伝えやすくなり、直感的な理解を促進すると考えられます。図を見ることで新たなアイデアの発想や問題解決につながることもあります。
図を活用することで、情報共有や認識合わせがしやすくなり、コミュニケーションの向上や意思決定のスピードアップに役立つ可能性があります。
具体的な図の活用例
筆者が認識合わせに図を活用した例をご紹介します。
「物品の貸し借りを管理できる表を作ってほしい」という依頼があり提示したところ、依頼者からイメージが少し違うと言われました。依頼者は下記の 図のBさんです。よく聞いてみると、Aさんから借りたものをCさんに貸し出すことがあり、その状態を管理できる表がほしいということでした。最初の時点ではAさんとBさんが貸し借りをする場面しかイメージできていなかったため、Cさんにも貸し出す状態が管理表には表現できていなかったのです。そこで下記の図を見ながら認識合わせを行い、どの状態のときに管理表がどのようなステータスになっていればわかりやすいかなどを話し合いながら管理表を作成しました。

筆者は上記のような一連の流れを表現するときによく図を使います。凝った図ではなくても、丸や矢印をいくつか書くだけで言葉や文章だけより伝わりやすくなると感じています。下記の書籍では、表紙に「丸と線が書ければいい!」と書かれており、その場で図を素早く書き、認識合わせをするテクニックが紹介されています。こちらの書籍を参考に、情報共有や認識合わせの際には、簡単な図を書くように心掛けています。
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著者:日高 由美子
書名:なんでも図解 絵心ゼロでもできる! 爆速アウトプット術
発行:ダイヤモンド社
発行年:2020年9月9日
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プロジェクト管理のツールとしても図は用いられています。たとえば、プロジェクトの進捗状況を示すガントチャートやプロセスを示すフローチャート、組織の構造を示す組織図、アイデアを整理するマインドマップなどがあります。改めて考えてみると、情報の整理、見える化、伝達、多くの場面で図は活用されています。図を使いこなすことが情報共有のレベルアップにつながるのではないでしょうか。
おわりに
図は関係性やパターンを表現できる便利なツールだと感じています。直感的にわかりやすく、記憶に残りやすいのも図のよいところですね。一方、図が複雑だと逆に理解が難しくなることや、図だけに頼り過ぎて詳細情報が抜け落ちる場合もあります。図の使い方やバランスを考えながら、より効果的な情報共有ができるとよいと思います。
今回の内容が皆さんの活動に少しでもお役に立ちましたら幸いです。