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主体性を高めるためのステップ

PJ活動お役立ちコラム
第171回 2024年3月19日
主体性を高めるためのステップ

筆者は上司との面談の中で、「主体性をより高めた行動を目指して欲しい」と言われたことがありますが、同じような言葉を言われたことはありませんか?「主体性を持った行動」と言われたとき、どのような行動が「主体的」であるのか、簡潔に回答することは難しいのではないでしょうか。
主体性はすぐに高まるものではなく、ステップを踏む必要があると、筆者は考えています。今回は主体性を高めるために必要なステップについて、筆者の考えをご紹介します。

「主体性」と「自主性」の違い

「主体」は「客体」の対義語であり、「他に働きかけるもの」という意味です。「主体性」とは「周囲に働きかけようとする意志や態度」という意味になります。
また、行動には目標や目的が必要なため、「主体性を持った行動」とは「自分で設定した目標に対して、自分自身の能力や周囲に働きかけて協力を得て進めていくこと」という意味になります。
「主体性」と似たような言葉に「自主性」という言葉がありますが、違いを整理してみたいと思います。「自主性」は「目の前の物事に対して、自分から行動していくこと」が求められており、目標が設定されていることが「主体性」との違いの一つになります。また、「自主性」は行動することが重要であり結果は別であること、「主体性」は目標を達成することを目指して行動することが重要であるという違いがあります。

性質 目標設定 目標達成への責任
主体性 決まっていない
(自分で決める)
目標達成を意識して行動する
(目標達成に対して責任を持って行動する)。
自主性 決まっている

行動することが大事であり、行動の結果、目標が達成できるかどうかは別である。

主体性を高めるために必要なステップを考える

「主体性を持った行動」は2つのステップに分解できます。

  1. 自分で目標を設定する
  2. 目標達成に向けて、周囲に働きかけて協力を得て進める

仕事の失敗、責任の発生等

目標を設定する必要があるため、1に求められるものは「主体性」ですが、2には自分から動く「自主性」も求められています。つまり、「主体性を持った行動」を実現するためには、ある程度の「自主性」を身につけていることが前提となっています。
主体性を高めるためには、自主性を高めておく必要があるということを考えると、次のステップに分割できます。

ステップ アクション 向上する性質
1 担当業務に必要なスキル・ノウハウを習得する 自主性
2 習得した知識をもとに、担当業務の遂行能力を高める 自主性
3 自分の業務を振り返り、改善点を洗い出す 主体性
4 アクションプランを策定して、改善施策を実施する 主体性
5 別の業務にチャレンジする(1に戻る)

  1. 担当業務に必要なスキル・ノウハウを習得する
    「その業務は何のためにやるのか」と行動の目的を考えることが重要です。人からノウハウを教わる場合には、教わったとおりに日々の作業をこなすだけになってしまうと、自主性や主体性を身に付けることは難しくなります。
  2. 習得した知識をもとに、担当業務の遂行能力を高める
    習得した知識を活用して、「成果を達成するにはどう行動するべきか」を考えることが重要です。達成するべき目標は決まっているため、自ら行動することで自主性を高められます。また、自主性はステップ4でも活かせるため、このステップで積んだ経験は後々の活動に原資となります。
  3. 自分の業務を振り返り、改善点を洗い出す
    本ステップ以降は明確な回答がないため「自分で考えること」が重要です。大事なことは小さな改善点でも否定することなく、対応することです。小さな改善を繰り返すことで、次第に改善点のレベルも上がっていくためです。
  4. アクションプランを策定して、改善施策を実施する
    ステップ3で洗い出しした改善施策のアクションプランを策定し、実現に向けて様々な行動を実践するステップです。自分一人での活動に限界がある場合には、上司や他のメンバーを巻き込んで対応することで、一人で対応するよりも主体性を高めることが可能です。
  5. 別の業務にチャレンジするステップ1から4を繰り返し、今の業務に改善点や新技術の導入等を見出すことが難しくなった場合には、別の業務にチャレンジすることで、新たにステップ1から4のサイクルを回します。

最後に

今回ご紹介した内容は、筆者も日々繰り返しています。筆者の場合、新しい業務を担当することも多く、必要なスキル・ノウハウを出来るだけ調べて習得してきたことが、ステップ3以降での行動への影響が大きかったと思います。
途中に「教わったとおりに日々の作業をこなすだけ」というワードがありましたが、このような状態では、将来自動化やAIに置き換えられてしまうかもしれません。普段の自分の対応を振り返り、主体性を持って行動しようとしているのか、考えてみてはいかがでしょうか。
今回の内容が皆様の活動に少しでもお役に立ちましたら幸いです。