Displaying present location in the site.

業務を円滑に引き継ぐには

PJ活動お役立ちコラム
第169回 2024年3月5日
業務を円滑に引き継ぐには

異動や定年退職、転職などの様々な理由により、業務が変更になるときがあります。筆者も異動により、担当していたプロジェクトから別の業務に移ることになりましたが、プロジェクトは継続していたため、後任者への業務引き継ぎが必要となりました。
その際に後任者への業務引継書を作成したのですが、業務内容の記載が不十分であったことと、具体的な業務のリハーサルを怠ったことから、引き継ぎ後に後任者から業務に関する質問を何度も受けるという状況が発生しました。
もし前任者が社内異動ではなく定年退職や転職していた場合、前任者に不明点を確認できず、後任者の業務遂行やプロジェクト運営に悪影響を及ぼしてしまう可能性がありました。
このようなことが起こらないようにするためには、プロジェクトの途中で他業務へ移ることが確定したら、後任者が前任者と変わりなくパフォーマンスを発揮できるように業務を引き継ぐ必要があります。
今回は筆者の経験をもとに、業務を円滑に引き継ぎする方法についてご紹介します。

業務引き継ぎに必要なこと

業務の引き継ぎには、以下の3つのアクションが必要です。

  1. 担当業務の整理
    業務内容を洗い出してカテゴリー別に整理し、後任者が業務全体を把握しやすい形でまとめます。また、自身が業務対応中に発生したイレギュラーについても、可能な範囲で「その他」等にまとめておくとよいでしょう。
    さらに、業務内容だけでなく、お客様のサーバで業務をしている場合やお客様とのコミュニケーションが多い場合は、資料の格納先や連絡先(電話番号など)といった情報も整理します。
  2. 引継資料の作成
    1.でまとめた業務内容の具体的な手順や業務に必要な情報を記載した引継資料を作成します。まずは、後任者への引き継ぎで説明できるレベルでよいでしょう。
    手順を記載したら、自分でリハーサルを行い、記載漏れや作業に行き詰まった個所を見つけて資料を修正します。また、業務の注意点やポイントについて記載されているか確認します。
    後任者は業務内容の背景や扱うツールの操作等を理解していないことを考慮して、引継資料を作成する必要があります。
  3.  後任者への引き継ぎスケジュールの作成
    後任者へ引き継ぎを完了させるまでのスケジュールを作成します。
    自分がプロジェクトを抜けるまでの残り期間を把握し、後任者との引き継ぎが可能な期間を調整することが必要です。 引き継ぎのためのスケジュールを確保することで、後任者との認識の齟齬を抑えられ、業務に対する不慣れな点を解消できます。
    ここでは、1ヶ月後にプロジェクトを抜けることが決まった場合を例として説明します。

後任者への引き継ぎのスケジュールを確保します。引き継ぎ期間は3週間を目安に設定します(引き継ぎ期間には上記の1.と2.の期間は含みません)。

1週目は、後任者が業務に慣れるためのミーティングやトレーニングを行い、引き継ぎする業務内容について詳しく説明します。
2週目は、後任者と一緒に業務を進めて、後任者に実務を体感してもらいます。また、後任者からの質問に回答します。
3週目は、前任者がサポートしながら、後任者主体で業務を進めていき、実務に関する理解を深めます。その際に、引継資料の不明点や改善点があれば再度説明し、最終チェックを行います。

1.~3.のアクションを実施することで、後任者が業務を理解した状態で引き継ぎができ、引き継ぎ後の質問も減らせます。

最後に

今回は、業務を円滑に引き継ぎする方法についてご紹介しました。
今後もベテラン社員の定年退職や、転職の活発化、組織再編によって高まる社内の人材流動から、前任者から業務を引き継ぐ、または自分が担当していた業務を後任者へ引き継ぐといった機会が増えることが予想されます。
みなさまが引き継ぎに直面した場合に、今回の内容がお役に立ちましたら幸いです。