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「アジャイルワーク」という仕事術
PJ活動お役立ちコラム
第167回 2024年2月20日
「アジャイルワーク」という仕事術

はじめに
昨年、新型コロナウイルス感染症が5類感染症になり、出社される方、リモートワークとのハイブリッドな働き方をされている方などが多いかと思います。
筆者は現在もリモートワークを主体とした働き方を続けていますが、以前から「リモートワークに適した業務の進め方があるのではないか?」と漠然とした課題感を持っていました。
そのような折、社内事例の発表会で知ったのが、「アジャイルワーク」という仕事の進め方でした。(その事例を聞いたとき、直感的にコレだ!と感じたのでした)
“アジャイル”という用語は、ソフト開発分野での用語としては知ってはいましたが、ソフト開発ではなく、ホワイトカラーの普段の業務に適用する、というものです。その社内事例で紹介されていたのが、以下の本です。
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著者:戸田 孝一郎
書名:アジャイルワークの教科書
出版社:日刊現代
発行年:2023年5月26日
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今回は、この本から得た内容と、筆者が実践してみた所感をお伝えしたいと思います。
アジャイルワークの枠組み
本の詳細はここでは説明しませんが、アジャイルワークの5つの要素として、①見える化 ②振り返り ③ダンドリ ④タイムボックス ⑤チーム が説明されています。
これらを実践するための中心となるのが「タスクボード」です。
タスクボードは業務をタスク化(細分化)し、各タスクの進捗を「ToDo/Doing/Done」に分けて、進捗を見える化していく、というものです。
それを個人だけでなくチームで共有し、このタスクボードを中心に夕会などで各自の状況や予定を会話する、という業務の進め方です。
チームメンバーが出社している職場では、ホワイトボードなどに付箋を貼り付けてタスクボードを作成してもよいのですが、社内の事例では、リモートワークが主体のチームだったため、Teams∗¹とオンラインホワイトボードツールを使用し、チーム情報を集約していました。
アジャイルワークを意識した業務の進め方を実践
筆者は「できるところから始めてみる精神」で、日々の業務で試しながら、模索している状況です。
たとえば、タスクボードを使用することで、以下のことが見えてくるようになりました。
- タスクを分解(見える化)し、抜け漏れがないかを互いにチェックできる
(→ 暗黙知を形式知にできる) - 各自の進捗がわかることはもちろん、作業の優先順位が正しく伝わっているかがわかる。
(→ 本コラムでも取り上げている“伝わっているか”を判断できる) - 想定よりも時間が掛かっているタスクがあれば、何か迷っていたり、想定とは異なる手順・作業が発生していると気付くきっかけになる。
(→ 期限前に気付けるので、リカバリー時間が確保できる) - わからないこと・不明点がチームで共有され、個人で悩まず、チームで対応する意識になる。または自分以外の誰かが知っている場合もある。
(→「○○さんが知っていること自体を知らなかった」というようなムダが省けたりする)
これらのことを、夕会で会話し共有することで、知識・経験が共有され、属人的要素が自然と減っていく効果があると感じています。
また、夕会などで必要かつ適度なコミュニケーション接点を継続的に保つことができるのもメリットです。
(「進捗表や日報を見ておく」ではなく、メンバーで“会話”するというのがポイントです)。
さいごに
現在は雇用形態の多様化が進み、チーム内にも自分とは異なる年代やキャリアの方が混在するチームも多いかと思います。そういったチームで生産性を高めるためには(今回ご紹介したアジャイルワークでなくてもよいのですが)、今の時代に適した働き方の型(枠組み)を知り、実践していくことが求められるのではないかと考えています。
今回の内容が皆さんの活動に少しでもお役に立ちましたら幸いです。
∗¹:Teamsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。