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仕事の取捨選択による効率化

PJ活動お役立ちコラム
第166回 2024年2月13日
仕事の取捨選択による効率化

現代のビジネス環境において、業務効率の向上が一層求められるようになりました。一般的には技術やツールを用いて仕事の生産性を高めることが効率化ととらえられがちですが、仕事の取捨選択という方法もあります。
業務の多様化によって、複数の作業を同時進行で行うマルチタスクが求められるケースが増えているなかで、人に頼まれると「No」と言えず、自分の役割とは関係のない業務も引き受けてしまったり、慣れない業務のため慎重になりすぎて普段よりも業務スピードが低下したり、無駄な作業を行ってしまうといったことがあります。
これらの業務を洗い出し、本来やらなくてもよいことや無駄を捨て、本当にやるべきことに注力することが業務効率の向上につながると筆者は考えます。
今回は、「仕事の取捨選択」というテーマで、業務効率の向上を図るための方法についてご紹介します。

取捨選択の方法

仕事の取捨選択の方法について3つのステップをご紹介します。

  1. 得意業務や役割分担を明確にする
    得意業務や役割分担を明確にすることで、本来フォーカスすべき業務に時間と労力を割くことができます。例えば、自分にとって得意・不得意業務や、自分が対応するべき・しなくてもよい業務などの境界線を決めることで、周囲から得意業務が集中的に依頼されるようになります。さらに、得手不得手な業務の線引きが明確になるため、安請け合いが減り、自分が対応すべき業務に集中することにつながります。
  2. 優先すべき業務を見直す日々の業務では、やるべきタスクをリスト化し、重要度や緊急度を評価して優先順位をつけていると思います。例えば、以下4つのタスクがあった場合、どのような優先順位で対応しているでしょうか?
    (1)緊急かつ重要なタスク
    (2)緊急ではないが重要なタスク
    (3)緊急だが重要でないタスク
    (4)緊急でも重要でもないタスク

    多くの人は緊急度の高い(1)、(3)を優先して、(2)、(4)は後回しにしているのではないでしょうか?年間の業務目標などは「(2) 緊急ではないが重要なタスク」に該当しますが、年度末ギリギリに対応するのではなく計画的に実行したいものです。そのための対策として重要度の低い(3)、(4)は対応方法を見直し、重要度の高い(1)、(2)に注力できる方法を検討することが重要だと考えます。 
  3. 重要度の低いタスクは破棄、延期、委任の順で対応方法を見直す
    (1)破棄:本当に必要ない業務は、思い切って断ち切ります。例えば、返信メールで「ありがとう」「承知しました」などは送信しない、無駄な会議には参加しないなど、やらないことを整理するだけで大きな効率化につながります。
    (2)延期:緊急でない業務は後回しにします。これにより、最優先事項に集中できます。
    (3)委任:他のメンバーに依頼できる業務は遠慮せずに依頼します。チームメンバーの得意業務や役割分担を明確にしておくことでチーム全体の効率化にもつながり、自分自身が集中すべき業務により多くの時間を使うことができます。

終わりに

仕事の取捨選択を実践することで得られるメリットは業務効率の向上だけではありません。仕事に対する考え方や習慣が変わることで、自分自身の働き方改革にもつながるとともに、能力に応じた業務分担や無駄なタスクを削減することができるため、ワークライフバランスにも前向きな影響があります。また、チーム全体のスキルや生産性が向上することでチーム内の雰囲気もよくなり、より円滑なコミュニケーションや協力が促されると考えます。
仕事の重要度を適切に判断し、取捨選択の考え方を見直すことで業務効率の向上の一助となれば幸いです。