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「悩む」と「考える」の違いとは?
PJ活動お役立ちコラム
第164回 2024年1月30日
「悩む」と「考える」の違いとは?

はじめに
みなさんは、「悩む」と「考える」の違いについて意識したことはありますか?
どちらも問題を解決するために様々なことに対して悩んだり、考えたり、日常的に行われていることだと思いますが、実はこの二つには思考の方向性に大きな違いがあります。
筆者は、以下の本を読んでその違いを知りました。
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著者:安宅 和人
書名:イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」
発行:英治出版
発行年:2010年11月
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この本で著者は、『「悩む」と「考える」の違いを意識することは、知的生産に関わる人にとってはとても重要だ。ビジネス・研究ですべきは「考える」ことであり、あくまでも「答えが出る」という前提に立っていなければならない。』といっています。
今回は、この本から得た「悩む」と「考える」の違いと、違いを意識することで得られる効果について、筆者の考えをお伝えしたいと思います。
「悩む」と「考える」の違いとは?
まずは、「悩む」と「考える」の違いについて考えてみたいと思います。
「悩む」とは、何らかの決断や理解が必要だと感じているものの、その答えが見つからないままやみくもに時間が過ぎている状態です。感情的な思考に偏りがちで、答えが出ない状況に不安やストレスを感じる人もいるかもしれません。また自己中心的だったり、被害者意識が強い思考になったりすることもあり、他の人に相談できずに一人でもがき苦しんでしまうこともあります。さらには、悩むこと自体がストレスとなり、さらに悩みを増大させてしまう、負のスパイラルに陥ってしまう場合もあります。このように、さんざん苦しんだにも関わらず、結局は、あまり自信が持てないネガティブな答えに行きついてしまうことが多いのが、「悩む」の特徴です。
一方で、「考える」とは、疑問や問題に対して答えを見つけ出そうと、論理的かつ合理的なアプローチを試みている状態です。情報収集、分析、評価、解決策を導き出すといった、論理的な思考で問題解決にアプローチします。もちろん途中には、「悩む」と同様に感情的な思考に陥ることもあるかもしれませんが、最終的には、自信を持てるポジティブな答えを導き出すことができます。
「悩む」と「考える」を簡単にまとめると、以下のように整理できます。
■「悩む」とはこんな状態
・頭の中がグルグル回っていて出口が見えない
・被害者意識が強い思考になりがちで、他人に相談することが難しい
・結論に自信がない
・ネガティブモード
■「考える」とはこんな状態
・前進して結論に近づいている感じがする
・自分が主体となって問題解決に取り組む
・結論に自信をもっている
・ポジティブモード
「悩む」と「考える」を意識し問題解決スキルを磨く
このように、「悩む」と「考える」は明確に違うということがわかったと思います。「悩む」ことは、問題に対する結論が見つからずに大切な時間を浪費し、感情的な思考に陥りがちですが、「考える」ことは、論理的かつ合理的なアプローチにより、問題に対する適切な解決策を導き出しやすいと考えられます。悩む人より考える人のほうが、実際のビジネスの場ではより多くの成果を上げることができるというのは、想像に難くありません。そのため、これからは問題に対して、「悩む」ではなく「考える」にシフトチェンジするよう意識するとよいと思います。
ただ、シフトチェンジといってもそう簡単にいかないかもしれませんので、自分が悩みがちな点や、考えることが苦手な分野について改めて理解し整理してみてはいかがでしょうか。自分が悩みがちな点や、考えることが苦手な分野について改めて理解し整理しておくと、「悩み」への突入を回避しやすくなると思います。
さいごに
今回は、「悩む」と「考える」の違いについて、筆者が読んだ本とともに筆者の考えをご紹介しました。
これからも、様々な問題に直面することがあると思いますが、その際は「悩む」ではなく「考える」にシフトチェンジすることで、論理的な思考で問題解決ができればと思います。
筆者の考えが皆さまの活動のご参考になれば幸いです。