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少しだけ、立ち止まってみよう。
PJ活動お役立ちコラム
第153回 2023年11月07日
少しだけ、立ち止まってみよう。

現代は先の見えない不確実性の時代と言われ、解決すべき問題が複雑になっていると感じている方は多いのではないでしょうか。筆者自身も日頃からそのように感じていたところ、数年ぶりに会った知人から「所属している組織で体制や役割分担の変更があって、自分の周りが大きく変化した。みんなのスピード感に置いて行かれないように、必死に前だけを見て取り組んでいるけど、うまくいかない・・・。」と、疲れた様子で近況報告を受けました。
筆者自身も同じような状況下にあったので、知人の言葉をきっかけに、いま自分たちに必要なことは何かを考えてみました。
うまくいかないこともある
仕事やプライベートにおいて、「成果を出すためには、どうすればいいのか」、「もっと成長したい」という思いから、多くの方はインプット・アウトプットを繰り返すことに時間を費やしているのではないでしょうか。何か行動することでうまくいっている時はいいのですが、思うようにうまくいかない時は不安になり、闇雲にいろんなことを試すことで不安を解消しようとしがちです。前に進み続けることは良いことですが、不安をかき消すために行動している場合、周りが見えなくなり、一人藻掻き続けるリスクが高まります。
どんなに頑張っていても、思うようにうまくいかないこともあります。そんな時は成長できていないように感じ、不安を感じるかもしれませんが、成功するためには、即座に答えを求めるのではなく、「立ち止まる」という期間がとても重要ではないかと筆者は考えます。しかしながら、多くの方は、「立ち止まる」時間を取れていないのではないでしょうか。(あるいは、取らないようにしているのではないでしょうか。)
立ち止まるって、どういうこと?
『優れたリーダーは、なぜ「立ち止まる」のか』(英治出版、2014年、樋口武志(訳))の著者ケヴィン・キャッシュマンは、「心と体に睡眠が必要であるように、立ち止まることが必要である」と述べています。
前に進むためには、「立ち止まって考えること」も同じくらい大事で、「立ち止まる」というプロセスは、自分や他者に対し、意識的に一歩引くことであり、目的意識や献身性を伴って前に進むことを可能にするそうです。
また、「ためらいは一歩引いて内外の状況を検討せよという合図である。」とも述べています。
うまくいかない時は、自分に問いかけ、自分の声に耳を傾けることで、立ち止まるポイントを見極めることが重要とのことです。
立ち止まり、考える
立ち止まることの大切さを知った筆者は、周りのことを気にせず、前に進むことだけに集中する自分と、客観的に冷静に判断する自分という2つの役割を意識的に分けて使うようにするため、日々の仕事終わりに「自分に問いかける時間」を10分間、設けました。
まだ始めたばかりですが、そこから得られたこと(効果)をいくつか紹介します。
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後回しにしていることに気づく
・重要だけど緊急性の低いことや自分が取り組んでいないことに気づくことができる。
・目の前に積まれたタスクや自分が好きなことにフォーカスしてしまっている自分に気づくことができる。 -
ちょっとした変化に気づく(ポイントに気づく)
・自分の言動がどのように変化をもたらしたのか、どの程度の影響を与えたのかを気付くことができる。
・自分の頑張りを認知することができ、自己肯定感が高まる。 -
自分の環境が当たり前でないことに気づく
・よい状態がスタンダードになってしまい、感謝や敬いが希薄になっている自分に気づくことができる。
・うまくいかない状態が起きることへの想定が足りない自分に気づくことができる。 -
未来に向けた準備ができる
・進むべき方向性を確認し、何をすべきか、イメージしながら実行することができる。
・適切なタイミングで必要な人を巻き込むことができる。
さいごに
今回、知人の言葉をきっかけに「立ち止まる」ことの重要性を再認識することができました。
これまでの自分、今の自分、未来の自分を信じているからこそ、立ち止まることができると筆者は考えます。これからも目先の価値観だけに囚われず、前に進む時間と立ち止まる時間を楽しみながら、様々なことに取り組んでいきたいと思います。
みなさんも少しだけ立ち止まってみてはいかがでしょうか。
今回の内容がみなさんの活動に少しでもお役に立ちましたら幸いです。