Displaying present location in the site.
業務の仕組み化における4つのステップ
PJ活動お役立ちコラム
第141回 2023年8月15日
業務の仕組み化における4つのステップ

企業や組織が成長し続けるためには、効率的な業務運営が必要になります。その中で重要な要素となるのが「仕組み化」です。多くの組織において、優秀なスキルを持ったメンバーに依頼が集中した状態になっていて、休んでしまうと業務が回らなくなるといった課題があるのではないでしょうか。このような課題に対しては仕組み化をすることでメンバーへの権限委譲が実現され、業務効率化や一定の品質を確保できるようになり、組織の成果を最大化できます。現在、試行錯誤は続いていますが、筆者自身が対応している業務で協力会社メンバーを巻き込んだ組織体制を構築することで、多くの付帯業務の運用を巻き取ることに成功しました。今回は仕組み化における4つのステップをご紹介したいと思います。
1.業務の明文化
仕組み化の始まりとして「業務の明文化」があります。業務の明文化とは、業務の目的や具体的な手順、プロセスを文書化したマニュアルを整備することです。これにより役割分担が明確になり、組織内の情報共有や意思決定がスムーズに行われます。さらに、業務を明文化することで新入社員の教育やトレーニングにも役立ちます。組織メンバーが共通の基準や手順を共有することで、持続的に業務遂行が可能となります。
2.業務の標準化
効率性と継続性を向上させるためには「業務の標準化」を行うことが重要です。暗黙のルールは業務スピードの低下や対応間違いなどのトラブルに繋がるため、お客様と連携して一貫性のある手順やルール構築に向けた取り組みを行います。
標準化の取り組みを加速させるには、業務の標準化によって価格を抑えたり、業務を集約することで効率化を実現して、お客様にも協力していただく関係性を構築することが重要です。
3.メンバーへの権限委譲
業務を円滑に運用していくための重要な要素が「メンバーへの権限委譲」です。メンバーに一定の権限と責任を与えることで、従来の細かな上下関係の指示運営ではなく、メンバーは自身の領域において主体的に判断し、行動することができるようになり、組織の迅速な意思決定や問題解決が可能になります。メンバーへの権限委譲はモチベーション向上にも繋がり、自らの責任範囲内で結果を出せることにより、やりがいを得ることができます。
4.運用ルールの整備
業務を円滑に運用するためには、以下のような観点でのルール整備も重要です。
- 問題解決フロー:明文化されていない業務が発生した場合、FAQやオンラインチャットツールを利用して関係者と共有する仕組みやお問合せ先を予め決めておきます。
- エスカレーションルール:トラブルが発生した際、内容や重要性の応じたエスカレーションルールを設定し、問題を適切なレベルの関係者に伝え、早期に対応するルールを作っておくことが重要です。
- 業務改善/進捗報告:メンバーが抱える課題や日々の気づきは振り返りのフレームワークである「KPT法」を活用して情報を整理して、お客様との情報共有/改善を行います。
終わりに
これまでご紹介した仕組み化のステップを進めても、必ず何かの問題が発生します。その問題を再発させないための仕組みを新たに検討することも重要です。問題が発生したら、その原因をなぜなぜ分析で深堀りし、様々な視点で具体的な原因を洗い出し、関係者全員で解決方法を検討します。再発防止に向けた取り組みをより深く、真剣に行うことがお客様の信頼に繋がり、継続的な受注に繋がるポイントになります。
業務の仕組み化をみなさんの職場でも推進いただくことで、業務成功の一助となれば幸いです。