Displaying present location in the site.

文字コミュニケーションの難しさ

PJ活動お役立ちコラム
第129回 2023年5月16日
文字コミュニケーションの難しさ

リモートワークが定着してからというもの、人とのコミュニケーションはもっぱらオンラインが中心になっているように思います。筆者が今携わっている業務でも、クライアントとのやり取りはオンラインコミュニケーションツールのみとなっています。そしてそのコミュニケーションには大きく分けて2つあり、ひとつは「音声通話」、もうひとつは「チャット」になります。
今回は、「チャット」でのコミュニケーション、つまり文字でのコミュニケーションについてお話ししたいと思います。

「文字」でのコミュニケーションは難しい

「チャット」での文字だけのコミュニケーションを難しいと感じる方もいらっしゃると思います。
筆者も、文字だけで意思の疎通を図ろうとしますが、うまくいかないと思うことがよくあります。情報が抜け落ちていたり、曖昧な表現であったりしても、人はそれを補って解釈しようとするからなのでしょうか。
これまでの業務の中で起こったコミュニケーションでの失敗事例について、改めて振り返ってみました。

  • 何も考えずに「質問」をして、「回答」を得ようとした
  • 「質問」の仕方や「回答」の仕方が曖昧で、無駄なやり取りをしていた
  • 「質問」に対して再度質問をしてしまう、時間の無駄が発生していた
  • 「回答」に対して質問してしまう、時間の無駄が発生していた
  • 過去と同じ内容の「質問」と「回答」を繰り返していた
  • お互いに譲らない、不毛なやり取りが続いてしまった

コミュニケーションマニュアルを作ってみた

このようなことが起きないようにしたいとの想いから、わかっているようで実際は出来ていないことを、コミュニケーションの「心得」として整理し、明文化してみました。

質問する側の心得

  • 心得1
    質問をする前になぜこの質問をするのか質問の意図を自分自身で理解し、自分がどう考え判断したのか 判断しようとしているのかをイメージする。
  • 心得2
    質問事項を整理し一度に多くの質問をしない。
    調べればわかることは質問しない。
  • 心得3
    質問は誰もが理解できるように 「これ・それ・あれ・どれ」や「前回の」や「昨日の」ではなく具体的名称や表記とし、7W2Hを心掛ける。
    (7W2H:「When:いつ」「Where:どこで」「Who:誰が」「What:何を」「Why:なぜ」「Which:どちら」「Whom:誰に」「How:どのように」「How much:どのくらい」)
  • 心得4
    回答を受けたら相手は時間を割いて回答していることを想像して受け取ったことをできるだけ早く返事する。
    わからないことがあれば遠慮せず再度質問をする。
  • 心得5
    回答に時間がかかる場合は理由や自身の状況を相手にすぐに伝え、回答期限を教えてもらう。

回答をする側の心得

  • 心得1
    質問を受けたら何を聞かれているのか質問の意図を理解する。
  • 心得2
    回答に必要な情報を整理し 質問者が悩まないように具体的な言葉に置き換える。(抽象語は避ける)
    参照情報がある場合は リンク先やドキュメントのページ番号も加える。
  • 心得3
    回答は誰もが理解できるように「これ・それ・あれ・どれ」や「前回の」や「昨日の」ではなく具体的名称や表記とし、7W2Hを心掛ける。
  • 心得4
    回答をするのに時間がかかっている場合は、相手が回答を待っていることを想像して、理由や状況を質問者にすぐに伝える。

このように具体的に明文化することで、以下のようなことが期待できるのではないでしょうか。

  • チーム内のコミュニケーションコストが下がる
  • チーム力が上がる
  • メンバー間での誤解や対立を発生させない

さいごに

出来ていそうで出来ていなかったコミュニケーションの取り方について、皆さんもぜひ明文化されてみてはいかがでしょうか。
今回の内容が皆さんの活動に少しでもお役に立ちましたら幸いです。