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仕事の解像度を上げる

PJ活動お役立ちコラム
第122回 2023年3月28日
仕事の解像度を上げる

仕事において、次のようなことを言われたことがありませんか?
「話している内容がピンとこない」「提案に具体性がなく、ふわっとしている」
「考えや事実認識が粗い」「解決策が安易」など
昨今、このような状態を「解像度が低い」と表現することがあります。

では、「解像度」とは何でしょうか。
そして「解像度」を上げるためにはどうすればよいのでしょうか?
今回はこれらの問いについて説明している本をご紹介いたします。
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著者:馬田隆明
書名:解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法
発行所:英治出版株式会社
発行年:2022年11月
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著者は「解像度が低いままビジネスをするのは、霧のなかで矢を射るようなもの」と明言しています。
誰しも当てずっぽうに「打ち手」という矢を射ることはしたくないですし、ビジネスでは人・物・金といった資源は不足していますから、むやみやたらに矢を射ることはできません。
だからこそ、射る前にしっかりと霧を晴らす、つまり実行や意思決定の前に、物事を高い解像度で見ることが重要なのだと語っています。

解像度の4つの視点

本書での「解像度」とは、物事への理解度や、物事を表現するときの精細さ、思考の明晰さを示す言葉として用いられています。

「解像度」は次の4つの視点から構成されています。

  1. 深さ
    原因や要因、方法を細かく具体的に掘り下げる
  2. 広さ
    考慮する原因や要因、アプローチの多様性を確保する
  3. 構造
    「深さ」や「広さ」の視点で見えてきた要素を、意味のある形で分け、要素間の関係性やそれぞれの相対的な重要性を把握する
  4. 時間
    経時変化や因果関係、物事のプロセスや流れを捉える

このような4つの視点で物事を整理することで「解像度を上げる」ことができるようになります。最も多いのが「深さ」が足りないパターンとのことですので、まずは「深さ」の検討から始めるのがよさそうです。

解像度を上げるための3つの基本姿勢

次に、解像度を上げるための3つの基本姿勢です。

  1. まず行動する
    情報×思考×行動(それぞれの量と質が大切)
  2. 粘り強く取り組む
    ある程度の時間を十分にかける
  3. 型を意識する
    「型」とは先人の成功と失敗の積み重ねで生まれたベストプラクティス

型を意識しながら、まずは行動しはじめて、粘り強く取り組み続けることが重要としています。
4つの視点と3つの基本姿勢についての詳細と具体的な活用方法については、ぜひ本書で確認してみてください。

さいごに

過去、お客様への提案において筆者の提案が刺さらないことがありました。
本書の内容を理解したことで、その時の提案は「課題」と「解決策」の解像度が低く、そのことでお客様へ十分な価値を提供できていなかったことに気が付くことができました。
現在の仕事において、解像度を上げて、現状への理解を深め、次の打ち手を明確にし、業務の改善や生産性向上、そして新しいサービスを創出することが求められています。
ぜひ皆さんも、お客様への提案や仕事において、「解像度を上げる」ことを意識して取り組んでみてはいかがでしょうか(ただし、解像度を不必要に上げようとして、時間を使い過ぎないようご注意ください)。
今回の紹介が皆さんの一助となりましたら幸いです。