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プロジェクト参画の際に気にしていること

PJ活動お役立ちコラム
第108回 2022年12月20日
プロジェクト参画の際に気にしていること

プロジェクトをスムーズに進行させるには、プロジェクトマネジメントを支援する役割のPMO(Project Management Office)が必要だと筆者は考えます。
特に大規模プロジェクトになると、進捗状況の可視化、様々なタスクやリスク・課題の管理、お客様や開発者との調整など、PMが一人で実施するのは難しくなります。
このためPMOがこれらを実施してPMの負荷を削減し、プロジェクト全体を俯瞰して意思決定できるようサポートすることが必要です。
そこで今回は、筆者がPMOとしてプロジェクトに参画する際に気にしていることについて、2点ご紹介します。

重要なプロジェクト体制図

プロジェクトの体制図は非常に重要で、体制図の書き方が悪いとプロジェクトがうまく進まない要因にもなりかねません。また、うまく進んでいないプロジェクトは、体制図を見ればわかる場合もあります。例えば、以下のようなケースです。

  • 意思決定者が一人でないため、最適な意思決定ができない
  • 指揮命令系統が複数ある
  • 役割が漠然としていて、責任の所在が不明確

体制図は「最適な意思決定者を明確にする」「メンバー間の指揮命令系統を定義する」「プロジェクトに参加するメンバーとそれぞれの役割を定義する」という大事な目的があります。そのため筆者は、PMOとしてプロジェクトに参画する際、必ずこれらを意識した体制図を作成するようにしています。
体制図をとりあえず作ったということではなく、しっかりと実務に合わせて役に立つ体制図を作ることで、プロジェクト成功の確率を上げることができると筆者は考えます。

そして、プロジェクトメンバーにそれぞれの役割を認識してもらうため、定例会議やキックオフミーティングなどで体制図を紹介しています。これはチームビルディングのためにも紹介する場を作るべきだと考えるためです。

肝はキーマン(影響力のある人)

プロジェクトには様々な意思決定がつきものです。PMが最適な意思決定ができるように、PMOはPMの意思決定を支援するという重要な役割があります。そこで重要になるのがキーマンです。「プロジェクトだからPMがキーマンでしょ?」という意見があると思います。もちろんPMはキーマンですが、PM以外で筆者が考えるキーマンとは以下のとおりです。

  • メンバーから信頼されている
  • 役職に関係なく影響力がある
  • 会議の発言で注目度がある
  • メンバーからよく相談されている
  • 色んな場面でその人の名前をよく聞く
  • 判断が必要な場面で、その人の判断が尊重される
    など

PMOは、PMと開発やベンダーなどの橋渡し役になることも多いため、きめ細かなコミュニケーション力が求められます。議論を円滑に進めるためにも開発やベンダーのキーマンを把握しておく必要があります。プロジェクトでは様々な問題を可視化し、開発やベンダーのキーマンとの交渉を通じてプロジェクトを成功へと導く必要があるためです。
またキーマンを把握しておく以外にもキーマンを巻き込むことも必要で、時には個別の根回しも必要になる場面もあります。プロジェクトを円滑に進めるには、PMOはメンバーに影響を与えるキーマンを参画時から把握し、しっかり押さえておくことが重要だと考えます。そのためにも様々な場面でアンテナを高くし、キーマンを見つけるようにしたいですね。

さいごに

今回は、筆者がPMOとしてプロジェクトに参画する際に気にしていることを、2点ご紹介しました。プロジェクトをスムーズに運営するためにも、PMOを設置するしないに関わらず、プロジェクト内で体制図の作成やキーマンとの調整を少し意識してみてはどうでしょうか。小さいことかもしれませんが、これらを意識することにより何らかの変化があると思いますので、ぜひとも実践してみてください。
今回の内容が、みなさんの活動のご参考になりましたら幸いです。