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業務掛け持ちの弊害と解消法
PJ活動お役立ちコラム
第107回 2022年12月13日
業務掛け持ちの弊害と解消法

複数の業務を並行して対応し、どれも中途半端な状態になったり、本来やるべき仕事が後回しになったりしたことはありませんか。特に複数の業務を掛け持ちすることに慣れない方に多いかもしれません。
今回はこのような状態と解消法について取り上げたいと思います。
業務掛け持ちの弊害
日頃プロジェクトに関わっている方は、対応すべき業務がWBSで役割分担されているかと思います。そしてその業務を粛々と進められれば良いのですが、関わっているプロジェクト以外にも対応すべきことがあるのではないでしょうか。
たとえば、メールのチェックや返信、急な割り込みによる指示や依頼された作業の対応、日常的な報告書作成や、勤怠・売上管理、さらには自己研鑽のための研修など、人によって様々かと思います。
そしてほとんどの場合、これらの業務は1日の中で対応時間を決め、日々ルーチンワーク化して、こなしていることと思います。しかし対応すべき業務が増えすぎると、あれこれ同時に手を付けて頭の中が混乱し、やっていることが中途半端になったり、プロジェクトで割り当てられた業務に集中できなかったりと弊害が生じることがあります。ときには手を付けることを失念して関係者から煽られることもあるかと思います。
ではこのような状態に陥らないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
モンキーマインドとその解消法
皆さんの中には、「モンキーマインド」という言葉を聞いたことがある方がいるのではないでしょうか。
これは、頭の中で邪念が入り混じって、ものごとに集中できない状態のことを言い、サルが木から木へ飛び回っている状態に例えてこのように呼ばれています。頭の中が邪念に支配されることで集中力を欠くだけでなく、邪念に対して色々と考え込むことで疲労にもつながります。
このモンキーマインドの解消法として「サルが乗った電車」の話を聞いたことがある方もいるかと思います。以下の書籍によれば、この解消法として「傍観」すると良いそうです。それはどう言うことかというと、騒いでいるサルが乗った電車に乗り込まずに、ただ通り過ぎるのを眺めるのだそうです。つまり邪念に対して自分には関係ないこととして客観視し、意識しないのが良いとされています。
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著者:久賀谷 亮
書名:世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる
発行元:ダイヤモンド社
発行年:2016年7月
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業務掛け持ちの解消法
ここで話を戻したいと思います。
頭の中が邪念に支配された「モンキーマインド」とその解消法について話しましたが、冒頭でも触れた状態(複数業務の対応が中途半端でやるべき業務に集中できない状態)も「モンキーマインド」であると言われることがあります。木から木へサルが飛び交うように、頭の中で飛び交う業務に振り回されている状態を例えているのですが、解消方法も同じ「傍観」でしょうか。もちろん業務と無関係の邪念は傍観すればよいですが、必要な業務についてはそうとは限りません。
当然ながら頭の中で飛び交っている業務(同時対応中の業務)は、ほとんどの場合、必要なこととして取り組んでいる状態です。これらは傍観するというよりは、まずは落ち着いて、以下のように今一度、整理して対応すると良いのではないでしょうか。
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プロジェクトで割り当てられた業務以外にも、どのような業務があるのかあらためて書き出す。
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本当に必要な業務かどうか(他の人でもできないか、他の手段でできないか、やる必要があるのか)を切り分ける。
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主要な業務を軸に集中した作業時間を確保し、その他必要な作業の時間を割り当てる。
このように業務内容・時間を整理することで、実はムダな作業をしていることが分かったり、明らかにオーバーワークであることに気づいたりするかもしれません。それが分かったら、業務の効率化や分担見直しなどして、手を焼いていた業務を「傍観」できるようにしてみてはいかがでしょうか。
今回取り上げた業務の解消法はあくまで一例ですが、少しでも皆さんの活動の参考になりましたら幸いです。