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未来を見据えたコミュニケーションのあり方
~見えないものを見る力を養いたい~
PJ活動お役立ちコラム
第105回 2022年11月29日
未来を見据えたコミュニケーションのあり方
~見えないものを見る力を養いたい~

今回は、昨今のコロナ禍によりコミュニケーションの取り方が見直され、状況に応じて柔軟に対応することが求められる現状において、どのような備えをするべきかについてお話します。
あなたは対面派、オンライン派?
皆さんは他者とコミュニケーションする際、対面とオンラインどちらがやりやすいと感じますか。今よりも外出や出社が厳しく制限されていた頃は、対面で人と話す機会が少なくなり、「うまくコミュニケーションが取れない」あるいは「取りづらい」と感じた方も多かったのではないでしょうか。長い間、対面コミュニケーションを制限されたことにより、相手とうまく意思疎通できないもどかしさや不自由さを感じられた方も多かったのではないでしょうか。
「やはり対面が良い」、「いやオンライン形式でも特に問題ない」等、コロナ禍を通じてコミュニケーションに関する様々なことを考えるきっかけになったと思います。
「相手の立場や状況、あるいは話す内容次第で使い分けることが大事なのでは?」という器用な折衷派も多いように思います。
将来を見据えてコミュニケーションのあり方を考える
筆者も「状況に応じて使い分ければ良いのでは」と考える立場を取っています。ただし、一つ気掛かりなことがあります。それは、「デジタル化」の進展です。
目の前にある現実を目の前にいる人とでないと話ができない、あるいは、具体的な要件が整わないと意思疎通や意思決定ができない、という【リアル対面型3現主義(現場・現実・現物)】に依存した仕事の進め方やコミュニケーションのあり方は、この先のデジタル社会を生き抜く際に不自由な足かせにならないか、このことを懸念しています。
筆者自身も、これまで対面であることの価値や3現主義に基づくマネジメントや仕事の進め方を大切な価値観としてきました。しかし、時代は大きく変わろうとしていることを考えると、これまで当たり前だと考えてきた自分の価値観を大きく変えざるを得ないのではないか、と思っています。
このことは、目に見える具体的な事象にのみに捉われ、まだ目に見えない抽象度の高い未来思考やビジョン構築ができないことのマイナス面が、事業活動に限らず、一人のビジネスパーソンにとってもかなりのインパクトがあるように思えてなりません。
そう考えると、ビジネスパーソンたるもの、すべからくオンラインでのデジタルコミュニケーションの訓練をすべきではないのか、と考えてしまうことが多くなりました。
時代はデジタルサービス全盛へ向けて加速する
皆さんもご承知のとおり、現代は新たな技術革新やビジネス概念が次々と出現してきます。体感的にもそのスピードはかなり速くなっています。こうした世界や社会の流れに無関係でいられるはずはなく、たとえばアナログなルーチンワークは次々と自動化の波に飲み込まれていくことになると思います。仮想空間も進化をつづけ、メタバースやデジタルツインなど、以前から言葉や言葉の定義だけは知っていたことも、少しずつより身近なものになりつつあります。
こう考えると、「コミュニケーションは対面派、オンライン派?」などと呑気に議論していること自体がすでに時代遅れなのかも知れません。
まだ目に見えない未来をどう考えるのか、まだ目に見えない将来のリスクにどう備えるべきなのか、「見えないものを見る力」こそが、私たちビジネスパーソンにより強く求められる時代になったのだと感じています。その訓練を、目に見えないデジタル空間やオンライン空間にいる相手との対話やマネジメントで行うことから始めてはいかがでしょうか。
皆さんにとって役立つ話だったら幸いです。