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依頼した業務や作業を、期待した結果に近づけるには?

PJ活動お役立ちコラム
第101回 2022年11月1日
依頼した業務や作業を、期待した結果に近づけるには?

規模の大小に関わらず、何らかの業務や作業を、自分以外の誰かに依頼することは多々あると思います。そして対応いただいた結果に、「ちょっと違うなぁ」と思ってしまうこともしばしばあるのではないでしょうか。
そんなときこそ、「自分で試す」、「相手の立場になって考える」ということを考えていただきたいのです。

自分の記憶や経験の過信は、見落としを招く

ここでひとつみなさんに質問です。自分が担当している業務や作業について、その手順を詳細に誰かに説明することはできますか?
慣れ親しんだ業務や作業なので、おおよそ、そのことは覚えている、実際に作業を始めれば手が勝手に動く、と思う方もいらっしゃると思います。
では、実際に試してみてください。実際に試してみると、「あれ、次は何だっけ?」とか、「この場合はこうだけど、そうじゃなかったときはどうするんだっけ?」と、どこかで引っかかりが生じることに気づくと思います。すべての手順や流れを完全に記憶しているわけではなく、何らかの分岐が発生するケースや、発生頻度が低いケースなどについては、記憶の奥底に眠っているのではないでしょうか。
自分が慣れ親しんだ業務であってもそのような状態なのですから、例えば未知の業務に対し、過去の経験などから「なんとなくこんな感じに進めれば上手く行くはず」と想像したものだとしたら、「実際にやってみたら見落としがたくさんあった」となってしまうのは容易に想像できると思います。

自分でも試してみて、見落としがないか確認する

誰かに何らかの業務を依頼し、その結果を自分の期待したものに近い状態とするには、どうしたらよいでしょうか?
先ほどお話しましたように、自分の経験などを元に頭の中で組み立てた情報だけだと、どうしても見落としが出てしまいます。見落としがあると、依頼した内容(指示)の変更が必要になったり、最悪の場合は成果物にインパクトを与えてしまい、自分が期待するものからかけ離れた結果となってしまったりするかもしれません。そのようにならないためにも、頭の中で組み立てるだけでなく、実際に自分でも実践してみて、見落としがないかチェックするとよいでしょう。

自分で試すときに、相手の立場になって考える

自分で試し見落としを少なくすれば、自分がイメージした結果にかなり近いアウトプットが出てくる可能性は高くなるでしょう。
そしてさらにその精度を上げるため、もう一つ考えて頂きたいことがあります。それが、「相手の立場になって考える」ということなのです。
例えば、依頼する業務の中であるツールを利用する手順があったとします。依頼先の方が自分よりもそのツールの習熟度が低い場合、誤ったツールの使い方をしてしまい、結果として望んだアウトプットにならない、もしくはご自身で追加の加工が必要になるといったことになってしまうかもしれません。
ツールの習熟度は一例ですが、性格やスキル、業務理解度など、相手の状況や立場を理解したうえで、補足が必要なものは適宜補足するのです。そうすることで、自分が望んだ結果に近いアウトプットが出てくる確率が、どんどん上がっていきます。もちろんすべてのことを考慮するのは難しく、また指示のための準備に時間をかけすぎてしまっては本末転倒になってしまうのでバランスが難しいですが、少なくても何も考慮しないよりは、はるかに良い結果を得られるはずです

実際に試した結果を元にした指示なので、相手の納得感を得られる

実際に自分で試したうえでの指示なので、内容に信憑性があり、指示を受けた方も納得感がります。何より上から目線のものではなく、自分同じ立場・目線での指示ということに、相手から大きな信頼を得られることつながると考えます。

さいごに

筆者自身も実際の業務では、どなたかに作業を依頼するときは必ず、まず自分で試し、その内容をメモにとり、悩みそうなものは補足するようにしています。これまで、アウトプットに多少のイメージの違いはあったとしても大きく異なることはなく、スムーズに業務を進められてきたと自負しています。
忙しい人ほど自分で試すことは難しいと思いますが、自分で試し、さらに相手の立場になって考えて依頼をすることが、結果として自身の業務負荷を減らすことに繋がるのだと思います。
筆者の考えが、皆さんの今後の活動の一助になれば幸いです。