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すれ違う気持ち

PJ活動お役立ちコラム
第77回 2022年5月17日
すれ違う気持ち

恋愛コラムのようなタイトルになってしまいましたが、目的をきちんと共有してから話をすることの大切さをお話したいと思います。
ゴールデンウィーク中に子どもと話をしていた時に、どうも話がちぐはぐになってしまいかみ合わず、お互い何の話をしているのか言い合いになりそうになったときに、「あーもしかして…〇〇って△△のことだけど」「えっ?□□ってことじゃないの?」と笑い話みたいなことが起き、ふと思い出したことがありました。

思いがちぐはぐに

かなり以前のことですが、チームリーダーがメンバーと1on1ミーティングをした際に「ちぐはぐ」が起きました。
リーダーが1on1を実施するとメンバーに伝え、メンバーも上司と話がしたかったため、日程調整をしてすぐに開催されました。
数日後、メンバーから「1on1をやったのですが、思っていたのと違ったのでなんだったんだろうって感じです」と聞き、慌ててリーダーからも話を聞きました。リーダーは、「会社の研修で学んだ通りの形で開催した。業務の話には触れずに「1on1」ができた」と達成感の様子を見せつつも、「相手の求めていることが少し違うかもとも感じたが、作法を優先した」とのこと。さらに状況を聞くと「1on1を早く実施するように」と上位層からも言われていたようで、リーダーも実施することに重きを置いていた節も見受けられました。
結果、1on1ミーティングは実施したものの全体的に消化不良になってしまったということが起きてしまいました。

リーダーとメンバーが1対1で会話をすること自体は間違っていなく、特に時期によっては大事な対話になります。双方、話をしたいと思っていたわけですからタイミングは合っていました。けれども、「1on1」という言葉をそれぞれの人が、それぞれ解釈したため「ちぐはぐ」なことになってしまいました。こんな感じでしょうか。

  • メンバー
    上司と業務に絡んだサービス提供の進め方を相談したかった。1on1で上司に深く相談できる
  • リーダー
    メンバーのやりたいことを踏まえたキャリア形成のアドバイスをする
  • 上位上司
    メンバーとリーダーの1対1で会話をしてもらいたい

本来の「1on1ミーティング」のあり方は別として、それぞれの人が「1on1」という単語に対して、相談、アドバイス、対話と、異なる解釈をしてしまったわけです。

ほんの少しの確認で

言葉の定義は必要ですが、ミーティング開始時にほんの少し1on1の進め方を会話することで、この「ちぐはぐ」は解消できました。
リーダーは、1on1ミーティングについて改めて説明し、メンバーは合意、もしくは違うリクエストがあればそれを伝え、本日のゴールとして定めればよかったわけです。
比較的思うことを言葉にできる2人ですら、スタートで掛け違えたボタンはなかなか戻せないものなのだなと強く思いました。このことは小さなできごとではありましたが、話をするときに同じ理解でいるとは限らないという前提で、常に確認しながら進めるようになりました。

ゴールを定める

メンバーと1on1ミーティングを実施した際、「今日のゴールは“ぶっちゃけてもらうこと”です」と伝えました。このメンバーはスキルとアサイン業務にアンマッチを感じているものの、自分自身がどうしたいのかイメージが持てないでいました。メンバー育成の観点で何かアドバイスできないものか試行錯誤しましたが、まずは思っていることを出し切ってもらうことが先決だと思ったのです。
口火を切るこちらも少々緊張しましたが、「分かりました。ぶっちゃけたほうが私もいいと思います」と返ってきて、その後はかなり深い話ができました。結果、このメンバーは別の業務に従事してもらうこととし、スキルの活用志向も確認でき、チャレンジする事項も決まりました。

ゴールとして“ぶっちゃけること”を設定したのは一つの試みではありますが、「私はこういう意思でいる」ということを表明して始めたことは良かったと思っています。
気持ちがすれ違う対話をしないためにも、ゴールのすり合わせから始めてもらいたいと思います。
今回の内容がみなさんの活動に少しでもお役に立ちましたら幸いです。