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言語だけではないコミュニケーション

PJ活動お役立ちコラム
第74回 2022年4月26日
言語だけではないコミュニケーション

オンライン会議ややテレワークが職場によっては日常化している昨今、コミュニケーションが取りづらい、という声を耳にすることが相変わらず多いのではないでしょうか。今回はこれについて取り上げたいと思います。

相手の表情がわからない

「相手の表情が見えないから自分の話がちゃんと理解されているのか分からないんだよな。」
先日、とあるオンライン会議でプロジェクトの概要説明をしたプロマネから、こんな嘆きを聞きました。自分は出社していても、相手が出社していなかったり、先方の都合で外出や出張せずにオンラインで会議をすますことが多いとのことでした。このため、メンバーとのコミュニケーションも必然的にメールやチャットなど、コミュニケーションツールを使ったやりとりが増えているものの、それでも「相手が見えないだけに、自分のコメントを見てどう思っているのか分からない。」と感じているとのことでした。

非言語コミュニケーション

通常皆さんは、コミュニケーションの方法として、言葉だけではなく、表情や身振り手振りなども使っているかと思います。コミュニケーションについて勉強した方なら、言葉以外のコミュニケーションのことを、「非言語コミュニケーション」もしくは「ノンバーバルコミュニケーション」ということを耳にしたことがあるかと思います。
また、これらコミュニケーションに対して、人はどの情報を優先しているのか、1971年に導き出された「メラビアンの法則」という概念によると以下の割合となっています。

  • 視覚情報:55%
  • 聴覚情報:28%
  • 言語情報:7%

つまり、「視覚情報」や「聴覚情報」といった「非言語コミュニケーション」が93%を占めており、オンライン会議やテレワークでもこれらが疎かになるとコミュニケーションが図りにくくなることを示しています。前出のプロマネの悩みも理解できますね。
では、オンライン会議やテレワークの現場では、どうしたら「視覚情報」や「聴覚情報」といった「非言語コミュニケーション」を向上できるのでしょうか。

  • 視覚情報の場合
    オンライン会議の場ではカメラをオンにして顔を出し、身振り手振りを気持ち大きくする。
    カメラで相手に表情を伝えるようにしているケースは多いと思いますが、それでも画面が小さく、映る範囲も限られるので、意識して動作を大きめにするように心がけるとよいでしょう。
    これは声を発する側だけでなく聞き手も同様で、頷くなどのジェスチャーにより相手に意思が伝わりやすくなります。
  • 聴覚情報
    オンライン会議で話す速度や声の大きさを変えるなど抑揚をつける。
    こちらも視覚情報同様、意識して変化をつけるとよいでしょう。特に、カメラをオンにしないような場合は、音声だけが頼りですので、抑揚で感情が伝わり易くなりますし、聞き手も意識して相槌を打つなどすることで、感情が伝わりやすくなります。

上記「非言語コミュニケーション」の取り組みを見て、プレゼンの心得と類似していることにお気づきかと思います。リモート環境で人に伝える技術はプレゼン技術がそのまま適用できます。
また会議の場では、非言語コミュニケーションを補うために、ファシリテーターの技量も重要になってきます。

なお、「言語情報」では、「直接会話する。」のも良いのではないでしょうか。
言語情報なのに直接会話とはどういうこと?と思われるかもしれません。対面のケースが減っている方なら、メールやチャットを多用する機会が増えていることと思いますが、文面がお互い理解できず、内容確認のやり取りが何度も発生したり、誤解を招くことを防ぐために、多くの皆さんも意識してオンライン会議や電話を使っていることと思います。
また、チャットで絵文字を使う、というのも一つの手かと思います。SNSでもよく使われる絵文字は、自分の感情などを小さな絵ひとつで表現できることから、海外ではEmojiといわれ今や世界中でも使われる日本発祥の文化です。

さいごに

環境が変わっても視覚情報や聴覚情報など、非言語コミュニケーションを疎かにすると意思疎通に影響が出かねません。特にリモートの環境では多少なりとも上記のようにプレゼンの要素を取り入れながらコミュニケーションを図ると良いのではないでしょうか。
今回の内容が少しでもお役に立ちましたら幸いです。