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ありがちなコミュニケーションのすれ違い

PJ活動お役立ちコラム
第63回 2022年2月8日
ありがちなコミュニケーションのすれ違い

日頃のプロジェクト活動や社内業務などで、メンバー間の認識のずれや意思疎通不足を感じることがあるかと思います。このようなことによって、業務のやり直しや遅延などが発生することも少なからずあるのではないでしょうか。今回はこのようなコミュニケーションのすれ違いや食い違いについて取り上げたいと思います。

すれ違いは防げない?

筆者が最近見聞きした中でも、コミュニケーションのすれ違いを感じたことがありましたので、ここで簡単に2例上げてみます。
1例目は、とあるプロジェクトでの話です。プロジェクトでサービス紹介の小冊子を制作することになったため、担当者は気合を入れて構成案を作成し自信をもって上位層へレビュー依頼しました。しかし結果として、この小冊子で訴えたいこと、コンセプトが違う、との理由で全面的に見直すことになりました。
2例目は、ある社内業務での話しです。社内業務の担当者が、関係するグループにメールで作業依頼しました。担当者は数日待っていましたが誰からも反応が無かったため確認したところ、まだ手が付けられていない状態でした。

読者の皆さんの中にも、どちらか一方、もしくは両方とも似たような経験をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
ここで上げたようなコミュニケーションのすれ違い、食い違いのことを「コミュニケーションギャップ」と呼びますが、なぜこのようなことが発生するのでしょうか。また、コミュニケーションギャップを発生させないためにはどのように対処すればよいのでしょうか。

コミュニケーションギャップとその対処

「コミュニケーションギャップ」は大きく二つのタイプに分けられるかと思います。
一つ目は、価値観の違いや解釈の相違により起こるタイプです。これは上記の1例目が該当します。
上記1例目では、小冊子は何を目的に制作するのか、これによって何を訴えたいのかを、担当者に伝えていない、もしくは担当者が正しく理解していなかったために発生したと言えます。
ここでは小冊子の例を取り上げましたが、これがプロジェクト全体や社内業務そのものの話となれば、事態はより大ごととなり、プロジェクトの遅延はもとより、メンバーのモチベーションの低下や、人間関係に悪影響を及ぼす結果にもつながりかねません。
これを防ぐためには、上位とメンバー間でお互い誤解のないように、目的やゴール等の共通認識を徹底するとともに、方向性にずれが生じていないか都度、点検の機会を設けると良いのではないでしょうか。今回の例でも構成案の段階でレビュー機会を設けたことによって軌道修正できただけでも幸いだったかもしれません。

二つ目の「コミュニケーションギャップ」は、情報不足(作業の具体的内容などの不足)による曖昧さによって生じるタイプです。これは上記の2例目が該当します。
上記2例目では、誰に対していつまでにと言った基本的なことがと伝えきれていないことはお分かりだと思います。また、文章の書き方によっては、本来の意図とは違う意味にとられて誤解されることもあります。
このことによっても、お互いの余計なやり取りの発生や、思ったものとは異なる結果が上がるなど、遅延の原因となります。
これを防ぐためには、5W1Hを意識し、依頼内容に不足がないか、誤解を招く表記になっていないか読み返すと良いでしょう。
会議でファシリテーションする場合も、アクションアイテムとして5W1Hを明確にして議事録に残したり、WBSや、プロジェクト管理ツールを使っている場合はタスクとして落とし込んでみるのも良いかと思います。

さいごに

今回取り上げた「コミュニケーションギャップ」の対処法はどれも基本的なことばかりですが、分かっていながらできていないことがあるかと思います。当然のことだからと言って見落として確認が疎かにならないよう、今一度意識して活動してみてはいかがでしょうか。