Displaying present location in the site.

目標を達成できないマネージャーの唯一の共通点

PJ活動お役立ちコラム
第53回 2021年11月30日
目標を達成できないマネージャーの唯一の共通点

今回は「目標を達成できないマネージャーの唯一の共通点」というお話をします。
始めに結論を言います。それは、ずばり「プランB、プランCをあらかじめ用意していない」ということです。みなさんの会社や組織においても、日々の業務を遂行する上でさまざまな目標をお持ちだと思います。売上予算や利益予算という財務的な目標を始め、業務改善、人材育成、お客様満足度、従業員満足度のスコアアップなど、企業活動においては、すべての活動に定性、定量を問わず目標値やゴール設定はつきものだと思います。

偶然達成した目標に意味はない

そんな中、みなさんの目標達成の過程に必然性はどのくらいあるでしょうか。目標は達成しないより達成したほうが良いことは誰しもが否定しない事実ですが、問題はその達成プロセスだと思っています。たとえば財務的な目標の場合、「特に工夫や施策は打たなかったが、たまたま市場環境が良かった、あるいは、瞬間的な特需があった」というケースもあると思います。筆者もそのような状況に何度も助けられた経験があります。ただし、このような偶発的に生じた幸運な外部環境によって目標を達成しても、正直、そこでの学びや自らの成長はなかったと思っています。また、チームの一体感やお客様との関係性についても、特にトピックとなるような状況もありませんでした。つまり、偶然達成した目標に意味はありませんでした。

最初の計画はうまくいかない

市場環境やお客様の状況は常に良好な訳ではなく、昨今のコロナ禍を持ち出すまでもなく、どちらかと言うと厳しい状況のほうが多い。また、市場やお客様のニーズも目まぐるしく変化しており、こうした状況が、むしろ自然だと思えるぐらい先行き不透明な状態があたり前になっています。
こうした時代背景により、企業活動におけるあらゆる目標の達成は、以前に比べると格段にハードルが高くなっていると思います。その最大の理由は、当初設定した計画が、ほぼ思いどおりにいかない状況があるからだと考えます。人は誰しも計画を建てると安心してしまうものです。筆者にも心当たりがあり過ぎるぐらいです。このような心理的な安堵感こそが、目標を未達にする最大の要因だと思っています。

計画の二段構え、三段構えこそが大事

このような状況下でも目標を達成しているマネージャーの特徴をひとことで言えば、
活動計画を立案する段階で、すでにプランB、プランCを持っている、ということです。最初の計画(プランA)はうまくいかない前提で、「〇〇な状況が生じたらプランBを発動する」「さらに状況が悪化した場合は、プランCを発動する」という具合に、自らの活動計画にあらかじめ前提条件を設け、その状態が生じた際、手遅れになる前段階で次の手を打っている、ということです。そこには、「結果管理」というネガティブな要素はいっさいなく、プロアクティブに目標達成に向けて挑戦するチャレンジャーの姿勢が伺えます。

目標達成の再現性こそ成長の源泉

こうして必然的に目標達成するプロセスをチームに根付かせ、どのような状況下でも目標を達成する強い意思と決断によって、メンバーを鼓舞しつづける。いつしかその姿勢が次世代のマネージャーにもDNAとして受け継がれていく。こうした再現性を自チームに埋め込んでいるマネージャーこそが、常に目標を達成するマネージャーの唯一で最大の共通点だと考えます。厳しい状況下で目標達成をめざし、その過程において、自らも、そしてメンバーに対しても成長に繋がる挑戦をして(させて)います。
逆の言い方をすれば、こうしたプロアクティブな姿勢を持たず、最初の計画を立案したことで安堵し、施策の効果検証もせずに無為無策のまま悪戯に時間を浪費してしまう、そんな姿勢でいることが、目標を達成できないマネージャーの唯一の共通点だと考えます。

今回の内容が、お役に立てば幸いです。