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テレワークの不安に必要な3つのこと
PJ活動お役立ちコラム
第48回 2021年10月26日
テレワークの不安に必要な3つのこと
新型コロナウイルスの影響で、準備も心構えもなく突然テレワークが始まった方がほとんどではないでしょうか。
その結果、コミュニケーションの仕方やマネジメントの方法が大きく変わらざるを得なくなりました。
株式会社パーソル総合研究所が2020年に6回にわたって行った「テレワーク」についての9万人の調査結果をベースに、科学的データからわかった現状とマネジメントに関する課題を解決するための考え方やノウハウが書かれた本をご紹介します。
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著者:高橋 豊
書名:テレワーク時代のマネジメントの教科書
発行:ダイヤモンド社
発行年:2021年4月
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テレワーク業務時の不安
調査結果から、テレワークの現場では、テレワーカーたちがさまざまな不安感を抱いていることがわかりました。
なかでも25%~35%近くの人が感じているのは以下2つの不安です。
- コミュニケーション不安(非対面のやりとりは相手の気持ちがわかりにくく不安)
- 評価不安(上司から公正に評価してもらえるのか?さぼっていると思われないか?)
つまり、不足する「非言語情報」がテレワーカーたちに不安をもたらしているのです。
テレワーク時代のマネジメントを成功させる3つの重要ポイント
本書では、「見えない」中で仕事をして不安を抱えている人が多いテレワーク時代のマネジメントを成功させる重要ポイントは以下3つであると述べています。
①心理的安全性の確保
②見える化・共有化
③ICTを使ったコミュニケーションスタイルの確立
それぞれを本書の内容をもとに簡単に紹介します。
<①心理的安全性の確保>
不安感や孤独感があり心理的安全性が低い組織は、生産性を高めることは難しく、かつ不安感が増大する。その結果、何らかの問題点があっても、誰も声をあげず、気付かれないままに業務が進行し、気付いた時には時すでに遅しということが起こりやすくなる。
個人にとっても組織にとっても、テレワーク下で心理的安全性が確保されていないことは大きなリスクとなりえる。
<②見える化・共有化>
テレワーク下で、すべてを”見える化・共有化”することは、業務効率や生産性をアップするだけでなく、見えない不安から解放され、心理的安全性もアップすることになる。
ルールの明文化・共有という組織特性は、孤独感・不安感とも相関関係にある。
<③ICTを使ったコミュニケーションスタイルの確立>
テレワーク下では、ICTツールを介してコミュニケーションが行われるため、ICTの使いこなしがコミュニケーションの質と心理的安全性の確保に直結する。
現状はまだ、人によって、スキルやリテラシーに差があるかもしれないが、一刻も早く、すべてのメンバーが使いこなせるにようにすることが必要である。
なお、本書では、上記①②③のポイントはすべて有機的につながっており、「いかに心理的安全性を構築していくか」ということは、「いかに良質なコミュニケーションをとっていくか」ということに直結している。テレワーク下で意識的に良質なコミュニケーションをとるように努力することが必要である。と述べています。
さいごに
本書ではテレワーク下でのマネジメントに関する課題と解決について記載されていましたが、今回はテレワーク下での不安に絞ってご紹介しました。
従来のリアルに対面して周囲の空気を読みながら状況に応じて行うコミュニケーションから、必要とされるコミュニケーションの取り方があきらかに変わってきていることを実感されているのではないでしょうか。
心理的安全性を構築して良質なコミュニケーションをとること、さらに、アウトプット、ゴール、プロセスなどを明確化し仕事を定義して言語情報とすること、これがこれからも進むテレワーク下での仕事の成否を決めるのです。
今回のご紹介がみなさんのテレワーク下でのプロジェクト遂行の一助となりましたら幸いです。