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感謝の気持ちを持って対話する

PJ活動お役立ちコラム
第44回 2021年09月28日
感謝の気持ちを持って対話する

リモート会議の場で以前こんなアクシデントがありました。
オンラインでお客様へサービスについて説明し、質疑応答しているときのことです。とある質問に対して専門的見解が必要なことからその場での回答を避けたちょうどそのとき、別のお客様のマイクのミュートが外れてオンラインの状態になったタイミングでその方から、「そんなことも分からないの」と心の声を吐露されてしまいました。
そういう声は、小声でもしっかり聞こえるもので、その後だいぶ落ち込みました。
確かにこちらで説明もできることではありましたが、不確定なことを言って責任も負えないという内容でしたので、「無茶なことを言わないで...」とも思ったものです。

この落ち込みの最中、私の上司の言葉を思い出しました。
「感謝の気持ちを持って行動する」という行動指針の1つです。
仕事を一緒にやっている人への感謝の気持ちは常に忘れずに、相手を傷つけることは自分も言うまい。けれど、提供サービスに満足が得られていないことも真摯に受け止め、まずは自分たちの言葉で説明をし、その上で必要に応じて専門の立場にいる人に確認を取るというプロセスを徹底するようにしました。
複雑な気持ちを相手にぶつけるのではなく、気づかせてくれてありがとうという気持ちを持つことで改めて次の行動に移せました。

寡黙な人との対話が課題に

部下やメンバーをまとめる立場にいらっしゃる場合には、「対話」は日常的によく行われていて、特に昨今は対面ではなくリモートでの対話も増え、以前より大変さも増しているのではないでしょうか。
実はこの上司の言葉は私がメンバーと対話する上でも一番気をつけていることなので、失敗エピソードとともに紹介しました。

これも以前の経験ですが、元々口数が少なくて沈黙しがちなメンバーと1対1で対話したときのことです。
そのメンバーは、自分の考えを整理して言葉を発するために時間が必要なタイプでした。時間が必要なのだから時間をかけられるだけかければ...とも思いますが、業務や予定もありそう長い時間拘束することはできません。
この時は、様々な角度から色々な質問をすることで、困っていることの真因や解決策の一端を見出すことができましたが、相手の思いを聞き出し、行動に結びつける気づきを与えるということの難しさを痛感しました。
ただ、話をしている相手が取り組んできた活動や起こしてくれたアクションに対しては感謝の意を表することは忘れないようにしました。思っているだけではなく、私の言葉できちんと伝えました。

対話の場面でも感謝の気持ちを忘れない

メンバーとの対話に対しては、会社でも「コーチング」の研修があり、メソッドや目標の立て方、コーチングの基本である「傾聴」・「質問」・「承認」については実践を交えた研修を受けています。
研修を受けただけですべてがうまくいくというようなことはないのですが、メンバーと話すときには意識して取り組むように心がけています。ただし、上記の経験からも分かるように、なかなか想定通りには進みません。「質問」に重きを置いてしまうと、「傾聴」しているとは言い難くなり、取り調べのようになってしまっては本末転倒ですもんね。
上記メンバーとは、初回は私からの途切れのない質問攻めのような形になってしまい申し訳ないことをしてしまったのですが、こまめに対話の時間を作ることで、少しずつ設定した目標に対してのアクションを後押しできるようになりました。

私もまだまだ試行錯誤中ですが、気持ちの根っこの部分には「感謝の気持ちを持って行動する」を忘れずに対話をしていこうと改めて思っています。
今回の内容が今を少しでも変えるきっかけになりましたら幸いです。