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ステークホルダーと上手に関わりを持ち、協力を得る
PJ活動お役立ちコラム
第42回 2021年09月14日
ステークホルダーと上手に関わりを持ち、協力を得る
「このプロジェクトにはあの人の力が必要。忙しそうだけど協力してくれるかな?」
「どんな伝え方をすると前向きに協力してくれるかな?」
メンバーを巻き込んで仕事を進める場面でふと不安に思うこと、ありませんか?
ビジネスにおけるコミュニケーションは、課題解決や合意形成、交渉など様々な目的があります。
目的の達成のためには「情報を正しく伝えること」だけでなく、「相手に心から共感して納得してもらい、行動に移してもらう」ことが求められます。
コミュニケーションの不安を解消し、お互いが気持ちよく協力し合える関係を築くには、あらかじめコミュニケーションをとる相手をよく観察し、その人の視点に立ってプロジェクトへの関わり方を考える「分析」と「計画」が重要です。
練習として本やドラマの登場人物を題材に分析してみるのもおすすめですよ。
今回のコラムではプロジェクト外の重要なステークホルダーとの関わりについて考えてみましょう。
まずは相手を知ることから
相手が思わず協力的な行動をしたくなる状態にするにはどうしたらよいでしょうか?
まずは相手を深く理解し、ニーズをつかむために、相手が組織内で担っているミッションやKPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)、可能であれば過去にどのようなプロジェクトで経験を積んでいるかなどの履歴から分析してみるとよいと思います。
<分析の例>
- 相手が関心を持っていることは何か?
- プロジェクト成功への影響度は?
- プロジェクトへの興味、態度は?
- その人の価値観を形成する上でどんなことが影響していそうか?
コミュニケーション計画を立てる
相手のことを理解できたら、プロジェクトにどう関わってもらうか計画を立ててみましょう。
<コミュニケーション計画の観点>
- プロジェクトの成功のために相手にどんな貢献をしてほしいか?
- そのために必要な要素、段取りは何か?
- 貢献の達成基準は?
- コミュニケーションを図るうえでの前提条件や制約条件はあるか?
- プロジェクトのどの部分に共感してもらえそうか?
プロジェクトのリーダークラスでこれらの計画を共有し、偏った見方になっていないか、誰がいつアプローチするのがよいか、といった認識を合わせられるとよいでしょう。
コミュニケーション計画を見直す
プロジェクトが進むにつれて取り巻く状況は変化していきます。
もちろんコミュニケーションをとりたい相手を取り巻く状況も変化しているでしょう。
コミュニケーション計画も定期的に見直す必要があります。
たとえば組織改編や年度が変わるタイミングなどで、
- 相手の環境(役職、チーム内)に変化はないか
- プロジェクトへの関心度、影響度に変化はないか
といったことを棚卸して確認し、関わり方の改善を図ってみるとよいかもしれません。
さいごに -相手を知ることは自分を知ること-
プロジェクトの成功のために協力を得たいと思っても、
「あ、この人苦手だな」と感じるような相性が悪い人との関わりはストレスになり、気が進まないものですよね。
そもそも立場や価値観は人それぞれですから、すべてを理解し共感することは難しいのです。
しかし、視点を変えると新しい気づきを得られるチャンスでもあります。
「なぜ、あの人はあんな価値観を持っているのだろう?自分だったらどう考えるだろう?」
「なぜ、あの人の発言を自分はネガティブに感じたのだろう?」
時間をおいて冷静に自分に問いかけることで、これまで知らなかった「自分」が客観的に浮かび上がってくるのではないでしょうか。
自分の思い込みや思考のクセを知っておくことで、様々な問題に対処する力を磨いていけるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました。