Displaying present location in the site.

「着手管理」はできていますか

PJ活動お役立ちコラム
第27回 2021年06月01日
「着手管理」はできていますか

タスクが山積みで、気が付いたらどれも納期目前で終わらない…チームメンバーがそんな状態になっていることはないでしょうか。
私もかつて着手管理を怠ったことから、タスクが重なり納期を変更してもらったり、締め切りのぎりぎりまで待ってもらったりしており、反省を込めてこのコラムを書きました。

「着手管理」とは、作業に関する様々な要素を鑑みて、文字通りプロジェクトの開始日を設定し納期通りに完了できるよう取り仕切ることです。
当たり前のことのようではありますが、この「着手管理」が、プロジェクトを計画的に成し遂げるカギのひとつと言えます。

タスクはいつ始めるかとセットで

プロジェクトマネジメントの中で、「着手管理」は小さなポイントかと思います。
けれども、いくつもの作業や業務が輻輳すると、「締め切り」としての納期は意識していても、それをいつ始めなければ間に合わないかまで管理できているケースは少ないのではと感じています。
「着手」は、個人のスキルやチームの進捗状況、影響を受ける他の作業状況など色々な要素も含み、かつ予期せぬことが起こってもリスクにならないようにするために最低限始めなければならない日を設定します。
作業や業務には必ず納期が設定されているわけですから、始めなければ終わりません。
当たり前のことを言っていますが、これがなかなか頭で分かっていても…という代物だったりします。

スケジューリングが苦手?!

先日、私のチームで起こったことです。
今、顧客対応ではないチーム内で取り組まなければいけないことがあり、その作業にリーダーをアサインし、スケジュールを立てて進めて欲しいと伝えました。
やることは明確ですが、週1回の会議で進捗を確認すると「どうしましょうか...」と一向に作業が進んでいないのです。問題の1つは、チーム内作業ということで、どうしても優先度を下げてしまうこと。これは、取り組み完了日を私が明確にしなかったことで、「あとで○○さんに確認すればいいや」「反応がないから一旦保留」といった感じになり作業が後ろに後ろに延びてしまい、また会議の場でどうしましょうかが繰り返されることを引き起こしてしまいました。そもそも完了日が不明確だったことも問題ですが、完了日を明確にしてもスケジュールが一向に出てきません。
そのことをリーダーに確認すると「スケジュールを立てるのが苦手で…」と言いました。アサインしたリーダーは、通常業務とは少し違う業務範囲をお願いしたこともあり立ち振る舞いに戸惑い、思考が止まってしまったようです。
ここで私がやらなくてはいけないのは、リーダーの着手管理です。
ゴールに向けて、スケジュールを立てて、どのようなタスクがあり、誰に何をお願いするのか、対応にどのくらい時間がかかるのかそういったものをすべて鑑み、いつまでに行動を起こさないと間に合わないかを助言しなければなりません。

進捗は?を確認する前にすること

自分の意識として着手開始日を管理することも大切ですが、特にチームをマネジメントしている場合には「明確にお願いしたから大丈夫」と放置せず、少し苦手意識を持って業務に取り組んでいるメンバーには、きめ細やかにフォローする必要があることを改めて痛感しました。

上記リーダーに対しては、完了日から逆算したスケジュールを一緒に立てて、全容を見える化させることで、戸惑いが消え積極的に活動を始めてくれました。もちろん、「いつ始めるか」も意識したスケジュールになっています。

「着手管理」について、まとめるとこういうことです。

  • 「着手」は、個人のスキルやチームの進捗状況、影響を受ける他の作業状況など色々な要素も含み、かつ予期せぬことが起こってもリスクにならないようにするために最低限始めなければならない日を設定する。
  • リーダーの上司はリーダーに対して、ゴールに向けてスケジュールを立てて、どのようなタスクがあり、誰に何をお願いするのか、対応にどのくらい時間がかかるのかそういったものをすべて鑑み、いつまでに行動を起こさないと間に合わないかを助言する。
  • 少し苦手意識を持って業務に取り組んでいるメンバーには、きめ細やかにフォローする。

かなり自戒を込めた今回の内容がみなさまの業務遂行に少しでもお役に立てば幸いです。